ドラッカーがちょっと興味深いことを述べている箇所を発見した。
曰く、「(企業が)急成長中は、
経験のある年配者を外から招くべきである」、と。
経営層、幹部層のエグゼクティブサーチを営んでいる者としては、
頼もしい援護射撃を受けたような気にもなる(笑)フレーズだが、
これは何を言っているのかというと、企業が成長していく過程で、
「
まあまあの仕事ぶりでも早く昇進していくことが当然とされている
組織ほど、危ないところはない」。
それはなぜかと言えば、そのような「昇進ブーム」は、
やがて終わりが来るからだ、と。
そうなったときに、
先に会社の好調に乗っかって昇進していた人のすぐ下の世代が、
頭がつかえてしまい、
優秀な人であっても昇進の機会を失ってしまうからだ。
「若手に無用の期待をもたせ、結局は失望させることになる。
これは、偏った年齢構造を避けるためにも必要である。
年齢構造は若すぎても年寄り過ぎてもよくない。」(『
マネジメント–-課題、責任、実践』、1973年)
年齢層のバランスを取って組織を組んでおかないと、
いずれ歪が押し寄せてくるのは事実だ。
急成長企業がその時点での若手世代で人員構成し、
役員や幹部が若手で占有されることは、
おそらく一般的には好ましい(すごい、カッコいい、
などという感情を伴った)ものと社外からも評され、
なによりも自社自身がそう思うと思う。
しかし、これこそがいずれ早晩、
自社の幹部構成やキャリアパスにおける大問題を引き起こすことに
なる。
非常に鋭い指摘だと思う。
「いずれにせよ、
一律の同年齢層のマネジメントは危険水域にあるといってよい。
ただし一律に年をとったマネジメントのほうが、
一律に若すぎるものよりはましである。
少なくとも危機は早く来て早く去る。」(『マネジメント–-
課題、責任、実践』)
さて、御社の経営陣、幹部陣の構成世代は、
どうなっていらっしゃるだろうか?
ある特定の世代だけに固まっていないか?
それが活躍盛りの世代内に限定されていないだろうか?
もし、ドラッカーの指摘通りの「マネジメント層世代の罠」
にはまっていたら、
御社の業績が好調なうちに手を打っておいたほうが得策なのは、
間違いなさそうだ。
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