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2017.04.17 マネジメント

VOL.70 生産性は、ブームではない。

昨今、働き方改革の声と共に、生産性について取り上げられることが多くなった。
しかし当然のことながら、生産性とは「残業削減」とか「労働時間短縮」とかのための目的として大事な訳ではない。(どちらかといえば、生産性向上の結果が「残業削減」とか「労働時間短縮」につながるだけだ。)

前回に取り上げた通り、経営資源の獲得こそ、事業・経営において、もっとも切実な問題であることは、経営者各位には言うまでもない。
しかし、経営資源の獲得は、第一歩に過ぎず、それらの経営資源を生産的なものとすることができるかどうかが課題である。

「したがってあらゆる企業が、人材、資金、物的資源という三つの経営資源について生産性の目標を設定する必要がある。同時に、生産性全体について目標を設定する必要がある。」(『マネジメント–-課題、責任、実践』、1973年)

企業活動の差は、マネジメントの質の差によってもたらされ、そのマネジメントの質に決定的に重要な要因を測定する最良の尺度が生産性(=経営資源の活用の程度とその成果)であるとドラッカーは言う。

「生産性の向上こそマネジメントにとって重要な仕事である。また最も困難な仕事の一つである。なぜならば、生産性とは各種の要因のバランスだからである。しかもそれらの要因のうち、定義しやすいものや測定しやすいものは少ない。」(『マネジメント–-課題、責任、実践』)

ドラッカーは、生産性について、一つの完全な尺度を見つけようとしてはならないと警告する。
確かに、それは、商品単位あたりなのか、従業員ひとりあたりなのか、従業員といっても人数ではなく人件費あたりなのか、どの尺度で見るかによって結果は異なり、評価も異なる。
なによりも、我が社がその事業目的に照らし合わせて見出したいこととの照らし合わせによる尺度設定があって、初めて意味をなす。

事業全体の生産性を測る尺度として唯一のものがあるとすれば、それは付加価値(=製品・サービスから得られた収入と、生産のための材料・サービスに支払った支出との差)である。
付加価値が意味を持つ前提としては、コストの配配賦が経済的に意味ある形で行われているとき(のみ)である。このことは、ABC分析などを実施されている企業経営者なら、直感的にも理解できるだろう。

「生産性とは難しいコンセプトである。だが、それは事業にとって中心的なコンセプトである。生産性の目標がなければ、事業は方向性を失う。」(『マネジメント–-課題、責任、実践』)

生産性は、昨今のブームではない。そもそも、企業経営を営む我々が、おおもとのところで明らかにする努力を続け、その目標を明確に持たなければならないものなのだ。

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