2017.03.06
VOL.4 成功する経営者の時間術
だから、自分に時間ができる。実際、もちろん相当に忙しいのだとは思うが、忙しそうにはしていない。それこそ、「忙」は心を亡くすと書く。心を亡くすような状況になるのは、むしろ恥ずかしいこと、という思いがあるのかもしれない。自ら忙しい、などという言葉も口にはしたりはしない。
ある元経営者がこんなことを言っていた。時間の使い方がうまい人は、自分の時間の使い方をよく理解しているのだ、と。そのための取り組みが、「起きたことを書いていくスケジュール帳」である。
通常、スケジュール帳はこれから起きることを書き込んでいくものだが、それとは別に、ときどき、その日に起きたことを書き込むスケジュール帳を記入していた、というのである。
予定のスケジュールとは別に、実際にその日をどんなふうに過ごしたのか、明らかにしていく。そうすると、意外なことが見えてくるという。思ってもみないことに、時間を使っていたことがわかったりするのだ。
そこから、時間の使い方を見直していく。結局のところ、忙しい毎日を修正しようにも、検証する手立てがなければ難しい。そのためにも、検証することが重要になる。時間の使い方を検証するための「起きたことを書いていくスケジュール帳」が、その役に立つのだ。何をしたか、改めて自分で見つめ直してみるのである。
別の元経営者は、こんなことを語っていた。無駄なことをしない、ということだ。時間をうまく使うためにも、時間のかかるものに気を付ける。
彼が決めたのは「二次会には行かない」「ゴルフをしない」の2つ。会食を避けることは難しいが、二次会まで行っていたら、本を読む時間もなくなる。ゴルフは楽しさもあるが、なんといっても移動時間も含めて時間がかかりすぎる。これでは、家族と過ごす時間もなくなる。だから、30代でやめてしまったという。
見直せる時間が実はあるかもしれない。うまくいく経営者は、それを考えている。