2017.02.10
VOL.1 成功する経営者の「見た目」
取材に対する対応はとても丁寧で、サービス精神も旺盛。端的に言えば、いい人が多いのだ。
最近で強く印象に残っているのは、あるヘルスケア領域のサービス企業である。大胆なテレビCMも相まって急激な成長を遂げていた。イケイケ、ギラギラな印象である。
さすがにこれは、トップもそういう印象なのではないかと思っていたのだが、実際にはまったく違った。会社のイメージとは裏腹に、文字通りの謙虚で極めて腰の低い若い社長が現れたのである。
「きっとイケイケな社長が出てくるに違いない、と多くのケースで思われているので、いつも驚かれる」と社長は笑っていた。
これは聞いた話になるが、あの経営の神様、松下幸之助翁も極めて腰の低い、謙虚な人、サービス精神旺盛な人だったそうである。だからこそ、あれほどの実績が残せたのかもしれない。
成功するのは、顧客がいてこそ。それこそ、どこかで勘違いして、ふんぞり返ったり、失礼な態度を見せたりすると、どこで会うことになるかもしれない顧客はそっぽを向いてしまいかねない。足元をすくわれかねないのだ。
その意味で、常に成功者は「試される」のだと思う。そして、試されてもおかしなことにならない人だけが残っていく。実際、「おや?」と感じた経営者もいなかったわけではないが、その後、会社を追われてしまった人もいた。
これは、どの世界でも同じである。芸能界でも、長く残っている人たちは、びっくりするほど謙虚で低姿勢な人たちが多い。売れっ子の芸人に、「売れっ子芸人の共通項は?」と聞いてみると、決まって「いい人」という答えが返ってきたりする。
そしてもうひとつ、最近は「見た目」に注意している経営者が多い印象を受ける。それこそ、太った経営者はあまり見かけなくなった。アメリカでも、太った人は自己管理能力が問われるという。
また、スピーチにスピーチライターをつけるようなソフト面のみならず、外見やふるまいをアドバイスするビジネスアピアランスの専門家をつけたりする。危機管理対策はなおさらである。謝罪に赤系統のネクタイをして出て行くなど、ありえないという。
経営者の「見た目」は、これまで以上に重要になってきている。