Season's Greetings 2014-2015

本年中は誠にお世話になりました。
創業5年目の今年は、昨年に続いての体制拡充を推し進め、
エグゼクティブサーチ事業の拡大、コンサルティング事業・会員事業での新サービス開始
EQソリューション、フランクリン・コヴィー・ジャパン社との業務提携、DVD発売など)
にもチャレンジできた、充実した1年となりました。

創業時より開催してまいりました「経営者ブートキャンプ」は第10期を迎え、
12/6(土)には1期〜10期までの受講生が一堂に会する大同窓会も開催されました。

2012年秋口に立ち上げた「経営者JPfacebookページ」には12/24現在、
6万3000名を超える皆様が集まってくださり、皆様の反響と当社ネットワークへの参画に
心強いものを感じております。

これらすべてが、ひとえに皆様方のご愛顧の賜物と、心より御礼申し上げます。

2015年は、当社創業5周年を迎える節目の年となります。
より一層の体制拡充を進めつつ、4事業を密接に関連付けた総合サービス、ソリューションの
ご提供に拍車を掛ける「事業加速・展開」の年となる予定です。お楽しみにしていただければ幸いです。

2015年も皆様の、経営者として、リーダーとしてのご活躍の一助となれますよう、
スタッフ一同、常に知見・ノウハウの開発と蓄積、アウトプットを繰り返してまいります。
ご愛顧の程、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

経営者JPスタッフ一同

We wish you a Merry Christmas and a Happy New Year!

Wed,December 24,2014



※代表・井上より、今年もささやかなクリスマスプレゼントのショートストーリーをお届けいたします。
お楽しみいただければ幸いです。

そいつは、僕が物心ついたころから、
毎年12月、クリスマスの数日前になるとやってきて
24日が過ぎると、何処ともなく去っていった。

幼稚園生の頃だったと思う。
初めてそいつが現れたときは、どこかの家の子が叔父さんか叔母さんに連れられて
うちに遊びにきたのかなくらいに思っていたが、
いつまでたっても帰る気配がないので、

「お家に帰らなくて、だいじょうぶなの?」

と聞くと、「いいんだ、いいんだ」といって、勝手に僕のプラレールを
部屋一面に組み上げて、ご満悦に遊びふけっていた。

母に、「ねえ、この子、帰らなくていいのかな?」と聞くと、
彼女は怪訝そうな顔で、「そんなに部屋じゅうに散らかして。
満足したら、ちゃんと片付けるのよ」と、僕を叱った。

不可解な気持ちのまま、そいつと遊び、
そいつはそのまま部屋に寝泊まりするようになり、勝手に台所でお菓子や食事を漁り、
僕も面倒臭くなって、気の向くままに一緒に遊んだり、放っておいたりした。

いまから思えば、そんな状態のまま数日間、僕の部屋に居座っている子供が
いることに、両親ともが苦言や注意を促さないこと自体が、そもそも、おかしかったのだ。

ある日、深夜、トイレに行きたくなり目が覚めて、起き出して用足しに向かった
ところで、聞くともなしにリビングで両親が話している会話を聞いた。

「あのこ、最近、独り言が多いのよね。大丈夫かしら」
「いつも部屋で一人遊びしてるみたいだな。外に連れ出して幼稚園の子たちと
  遊ばせたほうがよいなぁ。お前、昼間、ちょっと連れ出せよ」

そこで僕は、両親にはあいつの姿が見えていないんだということを、知った。

そいつは概ね無口だった。かといって、無愛想という訳ではなく、いつも
楽しそうになにやかやと手頃な僕の持ち物で遊んでいるのだった。

クリスマスイブの日、そいつは僕に尋ねた。

「きみ、今年のプレゼントで欲しいもの、な〜に?」

えっ?なんでこいつに、僕の欲しいプレゼントを話さなきゃならないんだ?!
そう思いつつも、僕はそのとき欲しかった合体モノのロボットの名を告げた。

そいつは、聞いておきながら、さほどその答えには関心がなさそうに、

「ふ〜ん。そうなんだ。今年はどんな年だった?」

と聞いてきた。自然と頭の中に、今年あったイベントの数々、
幼稚園の遠足、両親といった海、遊園地、デパート、美味しかった食べ物など
が駆け巡った。
ああ、楽しい一年だったなー。

僕は堰を切ったように、そいつに、この一年の出来事を、滔々と話し続けた。

両親が僕を、夕方、家族団欒のクリスマスパーティの準備が出来たと呼びに来るまで
半日ほどだったのだろうか、ずっと話し続けていたようだ。

「よかったな、来年ももっと楽しい一年にね!」

家族での食事を終え、部屋に戻ると、そいつはうとうととまどろんでいるようだった。
僕も幸せな気持ちになって、クリスマスプレゼント入れ用の長靴下の設置確認をし、
窓の外に向けてサンタさんへの願いを呟きながら、眠りについた。

翌朝、目覚めて、長靴下をチェックすると、入っていた!
念願のロボットの箱が、丁寧にリボンをかけられて膨らんだ靴下の中に入れられていた。

そいつは、「よかったな!」と言わんばかりの満面の笑みを浮かべ、僕を見ていたが、
僕は幼心に、そいつにクリスマスプレゼントがないのが、申し訳ない気持ちになり
ちょっと悲しくなった。

そんな気持ちでうつむき、ふっと顔をあげた次の瞬間、そいつの姿はかき消えていた。

1年後、そいつはクリスマスの数日前に、忽然と僕の部屋に現れ、1年前のまま
時がつながっているように、僕の部屋のおもちゃやグッズで遊び始めた。

クリスマスイブの日、そいつは僕に尋ねた。

「今年はどんな年だった?」

僕はまた、弾かれたように、この一年の出来事を、怒涛のごとく、話し始めた。
そこから先は、1年前のデジャビュだ。

「よかったな、来年ももっと楽しい一年にね!」

翌朝、クリスマスの日、そいつは、ふと姿を消した。

あれから、何回、これを繰り返したのだろう。

僕はいつのときからか、そいつを「サンタ坊や」と名付けた。

彼がクリスマスの数日前にやってきて、イブが明けると去っていくことも、
イブの日に彼が僕に尋ねることも、それに僕がスイッチを押されて、
その一年の出来事を蛇口を思い切りひねったように吐き出し、それが僕の
一年の総括となっていることも、僕にとってのごく自然なこととなり、
それなくして、一年を終えることができなくなっていた。

僕は人並みに成長し、中学、高校、大学へと進み、
その間、スポーツもし、恋愛もし、申し訳程度の勉強もして
社会人となっていた。

僕が人間としての成長を積み重ねるのとは対照的に、サンタ坊やは
何年経っても、最初に出逢ったときと同じ、小さな坊やだった。

「どんな一年だった?」
「よかったな、来年ももっと楽しい一年にね!」

その間、辛い年もあった。
ちょっとしたいじめ。失恋。現役での大学受験失敗。仕事でのつまづき。

そんなときも、サンタ坊やは

「どんな一年だった?」
「よかったな、来年ももっと楽しい一年にね!」

を繰り返し、それに僕は救われて、新しい一年に向かう勇気を得るのだった。

高校、大学、社会人と、そのときどきにクリスマスイブは友人や彼女と過ごす
大切なイベントの日ともなる。
だが、僕は、どうしても、24日から25日にかけてだけは、サンタ坊やとの二人
きりでの時間を捨てることができなかった。

そんな僕に、何人目かの彼女が出来た。

彼女と過ごす、初めてのクリスマスイブがやってきた。
当日、朝から買い物デートに出かけた僕らは、僕の独り暮らしのマンションへと戻った。

ランチを部屋で一緒に食べると、僕は、脇にいる(彼女には見えない)サンタ坊や
のことが気になりしかたがなく、頭の中は、どうやって彼女を帰宅させるかで一杯だった。

そんな僕を知らず、食後のお茶を入れてくれた彼女が、言った。

「ねえ。今年はどんな年だった?」

ハッ、と、僕とサンタ坊やは顔を見合わせた。

その瞬間、サンタ坊やは、えも言えない穏やかな笑顔と、その中にかすかな哀しみ
のようなものをたたえた表情で、僕に、

「よかったな」

と囁いた。

すると、次の瞬間、サンタ坊やは、彼女の前面に立った姿のまま、徐々に透かしのようになり、
最後に、そのまま消えていなくなった。

それが、サンタ坊やが訪れた、最後のクリスマスとなった。

僕は、堰を切ったように、彼女とのこの一年について話し出した。
楽しかったこと、喧嘩をしたこと、仕事でお互いなかなか会えない時期のこと、
初めての旅行、友人を交えたパーティ、、

その間、彼女は、不可解な顔もせずに、じっと、穏やかに僕の独り語りを聞き続けてくれた。

窓の外がすっかり暗くなった頃、僕の話がふっと終わった。

少しの時間が流れ、彼女が言った。

「ねえ、今から話すこと、信じてくれるかな?」

僕は、彼女がこれから話そうとしていることが、分かった。
そして、次の瞬間、僕の口から出た言葉は、

「なあ。今年はどんな年だった?」

彼女は、満面の笑みを浮かべ、そこからこの一年の僕らの出逢い、二人の時間について、
問わず語りのように、語り始めた。

それが僕ら二人の、初めてのクリスマスイブの贈り物となった。

 

FIN



※2010年のショートストーリー「2010年のサンタクロース」
http://www.keieisha.jp/seasonsgreetings2010_2011.html

※2011年のショートストーリー「小さな贈り物」
http://www.keieisha.jp/seasonsgreetings2011_2012.html

※2012年のショートストーリー「鏡よ、鏡。」
http://www.keieisha.jp/seasonsgreetings2012_2013.html

※2013年のショートストーリー「モニュメント。」
http://www.keieisha.jp/seasonsgreetings2013_2014.html


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