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VOL.1 加熱する人材市場においていま、何が起きているのか? 働き方改革の本質とは?(1/5)

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井上 石田さんのご専門の「行動科学マネジメント」について、最初に簡単にご紹介させていただきます。石田さんからこれまでにお伺いしたことやご著書から、私なりの理解でまとめますと——
行動科学マネジメントとは、①行動そのものを分析する「行動分析学」という学問に基づいていること、②抽象的な概念や計測できない要素を一切排除し、具体的な行動に焦点を当てて物事を見ていくこと。③その状況に応じた最適な行動の集積が成果につながると考えること、といった特徴(あくまでごく一部分ですが)があって、精神論や経験と勘に基づくマネジメントとは決定的に違うということです。
だからこそ再現性があり、どんな仕事にも使える。また、時代が変わり、社会情勢が変わっても、技術的な汎用性というか普遍性があると思います。
一方で、石田さんが行動科学マネジメントを日本に紹介されてからここまで10年ほどが経っていますが、その間の時代の変化に関して、まず石田さんはどんな印象をお持ちでしょうか。

石田 働き方改革の影響は、かなり大きいと思いますね。仕事への考え方がひと昔前とは全然違うのではないでしょうか。新卒の子なども、価値観が全く違いますよね。

井上 リーマンショックがあって、雇用の氷河期があって、震災がありました。そのあと人材需給バランス的には需要が高まって、この数年、人材市場は加熱する一方です。去年からは急に、「こんなに日本人っていなかったんだっけ?」みたいな状況になりましたね。

石田 採用難の会社も多いですよね。それこそ井上さんの仕事も、これからさらに忙しくなるのでは?
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井上
 僕らが支援している幹部人材強化策、特に幹部層の採用・転職については、もともと十数年前、厳密に言うと2000年あたりまでは、日本企業では幹部を外から縁故以外で採るという発想がありませんでした。それが今は当たり前になったので、この17年くらいの変化は僕らから見ても大きかった。まだまだ市場が固まってない所に、そこへきて今度は「人材がいない!」みたいな話になったので、大変は大変です。需要が増大し続けるというのは事業提供側のプレイヤーとしてはありがたいことですが、しかし、だからといって人材の乱暴な紹介はできない。きれいごとではなく、僕らの仕事の矜持として、そこは守っていかなくてはいけないと思っています。
それはともかく、石田さんの話に戻すと、欲しい人材を採り切れるわけじゃないのだから、企業にとっては、今いる人をどう生かしていくかが大事になりますよね。

石田 「営業はやりたくない」という若手もたくさんいますしね。「営業だったら辞めます」と。しかし、仕事なんて大半が営業ですから、それで「やりたくない」と言われたらどうするんだ? という話ですよ。離職率も高いままですし……。

井上 卒業後はとりあえず就職しなければいけないので、「がんばります!」と言って営業職に就くけれども、本当は営業が嫌だから心が疲れてしまう。それで「やっぱり、事務系の仕事がしたい」となるケースも多いですね。

石田 働き方というか、仕事観は、かなり変わってきているのに、それをわかっていない40代、50代の管理職が会社にはたくさんいます。そこのギャップが大きいのではないでしょうか。

井上 いわゆる世代間闘争になっている?

石田 闘争というか、価値観が違う。お互いにそこがわかっていないために、大変になっているところがたくさんあるのではないでしょうか。

井上 それについて、行動科学マネジメントではどんなアプローチをされているのですか? 例えば、課長さんたちに対しては……。

石田淳
(いしだ・じゅん)
社団法人行動科学マネジメント研究所所長。社団法人組織行動セーフティマネジメント協会代表理事。アメリカの行動分析学会(ABAI)会員。日本行動分析学会会員。日本ペンクラブ会員。株式会社ウィルPMインターナショナル代表取締役社長兼最高経営責任者。

アメリカのビジネス界で大きな成果をあげる行動分析を基にしたマネジメント手法を日本人に適したものに独自の手法でアレンジして、「行動科学マネジメント」として確立。精神論とは一切関係なく、行動に焦点をあてた科学的で実用的なマネジメント手法が、企業経営者や現場のリーダー層から絶大な支持を集める。これまでに指導してきた企業は1,000社以上、ビジネスパーソンはのべ30,000人以上にのぼる。著書に『マンガでわかる! ほめる技術』(宝島社)、『行動科学を使ってできる人が育つ! 教える技術』(かんき出版)、『「辞めさせない」マネジメント』(PHP研究所)、『なぜ一流は「その時間」を作り出せるのか』(青春出版社)などがある。
井上和幸
(いのうえ・かずゆき)
株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO
早稲田大学卒業後、リクルート入社。コンサルティング会社取締役、リクルートエグゼクティブエージェントマネージングディレクター等を歴任。2010年経営者JPを設立し、現職。

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