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VOL.4 毎朝15分の速読で、生産性が何倍もアップする。(4/5)

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井上 僕としては、フォーカス・リーディングの「禅的な身体の使い方」にたいへん興味があるのですが、改めて解説していただけますでしょうか。

寺田 日常空間というのは、ざわざわしていますよね。速読をするためには鎮まるというか、自分の脳波をシータ波の状態――言い換えると、《目を開けて日常活動をしているけれども、禅と同じ境地でいる状態(動禅)》――にしていく必要がありますが、そうなるためには3分くらいの儀式が要るんです。

井上 何をするんですか?

寺田 姿勢を整えて、いわゆる丹田呼吸(腹式呼吸の一種)をすることですね。丹田呼吸で重心を下げる。武道では上虚下実(じょうきょかじつ)と語られる、上半身の力を抜き、7割の重心を下に置いておく状態をつくることが凄く重要です。呼吸と姿勢で仙骨を立てることがポイントです。それでスイッチを入れる。
注意したいのが、しっかり読みたいと思うと近視眼的になること。場合によっては実際に本が顔に近くなるんです。人間の脳は、近いところにあるものはクローズアップして処理するらしいんですが、そうすると視野が狭くなって他の情報とつながらない。なので、本を30㎝以上遠ざけて置くと、心の距離も同時に取れて、楽に文章の流れが読み取れるようになるんです。たぶん、井上さんも講座の後、忘れてしまっていると思いますが……。

井上 忘れていました(笑)。

寺田 マインドフルネスという禅の講座もありましたが、速読トレーニング的なこと自体に瞑想の効果があります。なので毎日行っていただくと、集中力が上がる、メンタルがタフになる、情報処理で疲れなくなる…といった効果につながります。これらのことは全て脳科学の実験で確かめられていて、トータルで知的生産性が上がるというわけです。だから、毎朝15分間、瞑想がわりに本を読むといいのです。

井上 本もたくさん読めて、かつ知的生産性も上がる、というのは素晴らしいですね。

寺田 私のスマホに面白いデータがあります。スマホのアプリで自分の脳波を測って記録するというものなんですが、速読トレーニングをやっている間は、シータ波状態になっています。こういうことを毎日毎日やっていくと、たぶんメンタルも強くなりますよね。そこで例えば、毎朝自分のモチベーションの上がる本を何冊か用意しておいて、それらを何分かずつ読んでみる。そうしたら、モチベーションも、集中力も上がりますよね。

井上 この対談企画のスタッフの中にも、好きな本を3冊ぐらい持ち歩いていて、適当にパッと開けたページを少し読んで、心を落ち着けたり、モチベーションを高めている人がいます。速読ができれば、もっとまとまった分量を読めるわけですね。

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寺田 私は、この朝の読書を「カタパルト読書」として、ぜひお勧めしたいですね(※カタパルトとは、航空母艦の甲板上から航空機などを発進させる装置)。1日の読書なり活動なりを、『機動戦士ガンダム』ではないですが、「アムロ行きまーす」とカタパルトに乗って、勢いよく1日を知的な活動でスタートする――(笑)。もちろん、速読は速読でしかないんですが、読書のオプションとしてかなり使えると思います。

井上 これは面白いなあ。ところで、寺田さんは、講座などで読書を「心・技・体で考える」とも話されていますよね。これはどのように捉えればいいでしょうか。

寺田 まず、「心」というのは、なりたい自分のイメージに関するところです。例えば、「ビジネスマンとしてどう生きたいのか?」といったこと。そこで《読書デザイン》という発想が生まれてくると思うんですよ。目的意識ですね。フォーカスもそこから生まれてくる。
次に「体」は、瞑想的な身体の使い方です。具体的なやり方としては、座り方や本の高さ、距離の取り方を変えることですね。本を持つ高さは、目より下でいいんですが、身体に近いところで目線を思いきり下げて読むと、血流が悪くなるし、視野が狭くなって読みづらくなるんです。そこで肘を胸に当てて、顔の下に45度で見下ろすようなところに本を持ってみると、すごく楽に読める。また、本を傾けることも効果的です。水平くらいにすると視野に収まりやすくするので、それだけでも読書ってすごく楽になります。もっと極端に言うと、大きな本なら向かいに座っている人に見えるくらい傾けてもいいんです。視野に収まりやすい持ち方、というものがあるんですね。
そういった身体の使い方もそうですし、もともとの読書力も「体」にあたります。ビジネス書などの場合は、ポイントは何か?どんな情報を取りたいのか?と意識して読むだけで読み方はずいぶん変わると思います。逆に、濃い本や名著、人に勧められた本などについては、じっくり、ちゃんとわかるように読む。それは「メタ」な(客観的に自分を把握する)行為なので苦手な人もいると思いますが、私は、本を読んでいて「読めない」、「わからない」、「どういうことだろう?」と思った箇所には、緑のフリクションボールペンで線を引くことをアドバイスしています。それなら後で消せますからね。わからないところが発見できるようになってきたら、読書力は格段に上がります。もちろん、わからない部分は徹底的に考え抜いて、後でちゃんと処理をすることが必要です。そうした積み重ねがベースの「体」をつくっていくのです。

寺田 昌嗣
(てらだ・まさし)
ビジネス・教育のための速読技術・高速学習法指導者

1970年、福岡生まれ。名古屋大学(法)卒。元福岡県立高校教師。
高校2年生の秋に日課の立ち読みで速読と出会う。
1年にわたりトレーニングに励むも撃沈。さらに計4つの教室での挫折を経て、7年後に独学で速読をマスター。
同時に、教師現役時代からオンライン講座を無料で開講。募集のたびに5倍の応募が届く人気講座に。
2001年10月に独立し、速読メソッドの指導と普及にあたる。これまでの受講者は1700人を超え、その修得率は98%超。スピードと理解度を両立させた実用性の高さが評判となり、ビジネス書作家や大学教授らがクチコミで多数訪れている。
また7つのライバル業者から顧問や技術指導の依頼を受けるなど、業界内での信頼も厚い。
2014年度から日本で初めて大学教育に授業として速読講座が採用され、通年の読書講座として開講。
速読と読書で日本の教育を変えることを目指し、2017年度から九州大学の大学院に進学。

読書力と読解力を育むための「ことのば 子ども速読・読書講座」も福岡で開講中。
著書に10万部のベストセラー書『フォーカス・リーディング』(PHP研究所)のほか『子どもの速読トレーニング』(PHP研究所)、『決定版! 超カンタン速読入門』(共著、金の星社)、『英会話音読練習帳』(共著、永岡書店)がある。
井上和幸
(いのうえ・かずゆき)
株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO
早稲田大学卒業後、リクルート入社。コンサルティング会社取締役、リクルートエグゼクティブエージェントマネージングディレクター等を歴任。2010年経営者JPを設立し、現職。

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