2018/03/13
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禅の教えに学ぶ経営道+リーダー学
第2回
禅とは、壁を乗り越え〝次のステージ″に行くための道。(2/5)
- スペシャル対談
- 経営
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「経営者を語る」――今回は、経営者と禅僧の2つの顔をお持ちの島津清彦氏(株式会社シマーズ代表取締役)をゲストにお迎えします。
今回の対談では、「禅で磨く〝経営者の心・技・体″」などのテーマで、弊社代表・井上和幸と語り合っていただきました。全5回でお届けします。
井上 個人的な話で恐縮ですが、僕はこれまでの人生で2回ほど、精神的にとてもしんどい時期がありました。「病んだ」というレベルではないんですが、その2回とも、禅や東洋的な考え方に触れ、助けてもらったんですね。
1回目は、中学3年生の頃。当時、バスケットボール部の部長で忙しくて、でも、受験勉強も頑張らなければいけないし……という中で、自分で勝手にイライラしては少しばかり爆発していたんです。そうしたら、父が「これを読め」と、大徳寺大仙院の尾関宗園さんという禅僧が書かれた本を渡してきたんです。父はかなりの読書家でしたが、僕に対して特定の本を直接勧めることはめったにありませんでした。珍しいことで、とてもインパクトを受けましたが、その尾関宗園さんの本がめちゃくちゃ面白く、かつ深くて。それで、僕はその本の内容に勇気づけられて、すごく気が晴れたんですよ。本は今でも持っていますし、大人になってからは何度かその住職にお会いしに行ったほどです。
また、2回目のしんどい時期は、社会人になり、リクルートで新規事業をドロドロになってやっていた2年間です。これは人生の中で一番辛かった。そのときにも、思想家の中村天風さんの本を読んで心が晴れたんですね。こういう経験というのは、多くの皆さんも持っていらっしゃるものなんでしょうか。西洋人の方などは、どうなんでしょうね。
島津 ぎりぎりまで追い込まれて何かに出会う――、そこで禅に出会うということはすごく多いと思いますね。私も41、2歳くらいのときに、仕事で追い込まれて顔面が半分麻痺してしまい、もうダメだと思った時期がありました。そのときは、本を読んだり、身体を動かしたり、太陽を拝んだりして、自分から動いて救われた部分もあったんですが、その後、47歳で独立起業したときに、禅と出会いました。経営を軌道に乗せるまでには、プレッシャーに何度も押しつぶされそうにもなりましたが、そこで自分を救ってくれたのは禅でした。こんなふうに、人が禅と出会うときというのは、成長の中の一つの節目というか、限界や壁に当たったときが多いと思いますね。
井上 戦後を支えた名経営者や政治家、各界の著名人、一流アスリートなどの中にも、禅の考え方に傾倒していった方は多いですね。
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