2018/06/19
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シニア世代のキャリア、転職、その現実
第1回
ミドル・シニア世代の転職希望者は、「面接」の意味を勘違いしている。(1/5)
- キャリア
- スペシャル対談
「経営者を語る。」――今回は、人事・戦略コンサルタントの松本利明氏(HRストラテジー代表)をゲストにお迎えします。
松本さんは、『ラクして速いが一番すごい』(ダイヤモンド社)、『「稼げる男」と「稼げない男」の習慣』(明日香出版社)などの著者であり、5万人をリストラして6000人のリーダーを選抜したご経験をお持ちのコンサルタントです。
今回の対談では、「今、シニア世代の雇用とキャリアに何が起きているのか?」、「オリジナリティある強いスキルのつくり方」、「実は違った人事の定説」などをテーマに、弊社代表・井上和幸と語り合っていただきました。全5回でお届けします。
井上 このところ、40代、50代といったミドル・シニア世代のキャリア・転職をめぐる話題がとても増えていますね。当社でも関連する取材や原稿依頼が、ここのところ非常に増えています。松本さんもメジャー誌などで関連するコメントを多くされていらっしゃいますが、マスメディアから取材を受けたり、またコンサルティングなどでお付き合いされる中で、この状況ついて何か感じている傾向はありますか。
松本 私よりも井上さんの方が詳しいと思うんですが、今、この世代がリストラされるケースが増えていますよね。そして、成功する人と失敗する人の格差があまりにも激しい。特に50代になると、幸せな転職ができる人は、全体の2%いるかいないかだと聞いています。実際、辞めたくて辞めるのではなく、辞めざるを得なくなって、後ろ向きな退職や転職をして困ってしまう方が多いのかなと感じますね。
井上 該当する世代がバブル採用世代ですから、特に大手企業を中心に、どうしてもダブついてるのは事実ですね。でも、移れる人は移れる。
松本 移れる人はそれこそ何歳でも、50過ぎようが60でも声がかかるんですが、声がかからない人は全くかからないというのが現状です。
過去に私は経産省の「人活プロジェクト」を担当したことがあって、――これは大企業に勤務するアラフィフの方に成長産業に移っていだたく、要はリストラなんですが――、そのときに気づいたのは、大企業には「気づいたら4、50になっていた」という人があまりに多いということでした。転職をしようと思ったときに、彼らは新卒のときの面接経験しかないので、同じような方法で自己PRをしてポイントを外してしまう。4、50代になってくると、社員として雇ってもらうというよりは、幹部として「来てください」と暖かく受け入れてもらう形でないと、なかなか幸せな転職にはなません。
アラフィフになってしまうと、仮に公認会計士の資格を持っているような方でも全然決まらず、「タクシーの運転手をしませんか?」という話に...
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