TOP 社長が "将来" 役員にしたい人、25の条件 最後に待っている「執行役員」から「取締役」への大ジャンプ。それは——?(5/5)

2017/05/16

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社長が "将来" 役員にしたい人、25の条件

第5回

最後に待っている「執行役員」から「取締役」への大ジャンプ。それは——?(5/5)

  • キャリア
  • スペシャル対談
  • 組織
  • 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO
  • 秋山 進氏 プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役
秋山 実は、この本の中で書いてないというか、敢えて明確にしていないことがあります。「役員」とは何者か? ということは全く書いていないんです。本の中で解説しているのは、執行役員クラスのイメージ、事業をやる人の話です。

 

一方で、会社には取締役がいるのですが、こちらは本来、事業をやる人ではないんですよね。株主の立場から、その会社の最適化を図ること、例えば、どの事業に投資してどの事業をやめるとか、全体の限りあるリソースのポートフォリオを考えて、どこにどう賭けていくといったことを考えるのが取締役です。特に、代表取締役になると全く別ものです。そこの大きな違いについては、日本の会社の非常に弱いところであって、出世して、最後の最後、社長になっても執行者100%の思考から抜けきれない人が多い。
要するに、執行の世界というのは、――コミュニケーションは関係ないと言いつつ関係があるんですが――、人と一緒に努力する、汗と涙と笑いの世界です。事業を作っていくときには、それがないと成功しません。だから、そこで頑張っていく人たちがどのように努力するかを知っておくことは、取締役になる人にとっては重要な要件です。

ただ、やはり取締役の世界に行ったら、それだけではいいけない。自分が過去にやっていたからといってそのビジネスを特別視してはいけないし、もっと言えば、「これでうちがこの事業を売ってしまったら一緒にやっていた取引先が大変だ」などということで判断が鈍ってはいけない。日本では、取締役になっても情実の世界に生きていているから、多くの会社が失敗するわけです。

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プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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  • 秋山 進氏

    秋山 進氏

    プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役

    京都大学卒。リクルート入社後、事業・商品開発、戦略策定などに携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業からベンチャー企業、外資、財団法人など様々な団体のCEO補佐、事業構造改革、経営理念の策定などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織設計、事業継続計画、コンプライアンス、サーベイ開発、エグゼクティブコーチング、人材育成などを提供するプリンシプル・コンサルティング・グループの代表を務める。

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