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VOL.5 もっと話を聞いていたい声、内容が入ってこない声。(5/5)

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菅家 呼吸法を改善すると、自信がなさそうな弱い声だったのが、しっかりとした声に変わっていきます。ザラザラした声の方も、喉に負担をかけない発声法や響きが加わると聞きやすい声に変わっていきますね。
磯貝メソッドによって私の声が変わったように、自分も実感できるような声に変わっていくことや、一つ一つの音の精度を上げてシャープにしていくようにすると、言葉が聞きやすくなります。それによってスピーチで「爽やかだ」、「心地いい」、「もっと聞いていてもいいな」という感想をもらえるようになるわけです。

井上 プロのナレーターのような美声というのは確かにありますが、「もっと聞きたい」「聞きやすい」と思わせる声は、必ずしもそれだけではないような感じがしますね。

菅家 そうです。ビジネスでは力強い声も必要ですしね。誰もが「良い声だね」と認める声が、ビジネスで良いかと言えば違います。その人の個性が上手く活きた声であれば、必ずしも、澄み切った美声である必要はありません。その声が美しすぎて、嘘っぽくなることもありますよね。ただ一般的には、風邪をひいていたりして、あまりにも気になる声だと、話の中身が入ってこなくなります。聞きやすい声の基準はあると思います。

井上 取材経験の多いライターさんが、「優秀なビジネスマンの方は、声や話し方が魅力的であることが多い。むしろ録音だけ聞くとその良さがよくわかる」と話していました。こうした、声や話し方の重要性は、一般的に皆さんが思っている以上に大事なんでしょうね。ところで、菅家さんはご自身のブログの中で、鼻濁音の発音の大切さについて書かれていましたが、そういった日本語として正しい発音を使えることも、聞きやすさとか心地よさといった、好印象を与える要因かなと思ったんですが。

菅家 はい、鼻濁音は日本語における、柔らかな響きをもつ音です。ただ、「がぎぐげご」のような音は、強くはっきりした音で耳障りに聞こえる時がありますけれど。一般的に鼻腔に響かせる鼻濁音は、主張しすぎない、聞きやすい音といわれます。聞きやすい音で話してくださっていると、聞く方も楽で抵抗がなく、話がスーッと入ってきます。抵抗を感じる音だと《耳が嫌がる不快な音》になりますので、相手が聞きやすい音を出すことは大切です。例えば、優秀な営業の方は、「お客さまにとってどういう声や話し方がいいか?」ということを絶えず考え、実際に話して反応を見て、「やっぱりこういう声や話し方がいいんだな」という経験を積み重ねていらっしゃるので、それが自然に身についていく。「いかがですか?」という言葉一つでも、どういう音を出すかで意味や内容の理解が違ってきます。
聞き手が聞きやすい、心地よいと感じる声が出せるような話し方を意識していただきたいですね。自分がどんな声を出しているか、一つ一つの音に意識を向けて話していくことが大切です。経営者、リーダーの方が、自分の声や出している音を日々意識していくだけでも、長い時間で積み重ねていけば大きな違いになってくると思います。

井上 菅家さんは、こういうことで経営者やリーダーの方向けのワークショップをやっていただくことは可能ですか?

菅家 ぜひ。今までの磯貝メソッドの受講者は、役者さんや声のお仕事をされている方が多かったんですが、最近は、ビジネスの方も声の必要性を感じてくださるようになってきました。今は、インターネットやテレビでも、見事なスピーチが見られますが、自分でも実際やってみる場があると、素晴らしい声と言葉で伝えることができる人が増えていくと思います。

井上 今回は、勉強になるお話をありがとうございました。僕自身もとてもスッキリしました(笑)。

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(構成・文/津田秀晴)


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菅家 ゆかり
(かんけ・ゆかり)
上智大学新聞学科卒業後、日本テレビ放送網(株)にアナウンサーとして入社。
久米宏氏とのトーク番組“おしゃれ”他広報番組、ニュース、スポーツ、芸能情報番組の司会やレポーターとして幅広いジャンルを担当。
退社後はフリーランスアナウンサーとして活動を展開。テレビ東京「東京レポート」、ラジオ日本「川崎ウォーク」、CS放送「読売とれんど」、日本テレビ 「ご存じですか」等に出演。
その他、シンポジュームやセミナーの司会、様々な分野のナレーションも担当。
また、日テレ学院や大学で講師を務める。『美顔率』『声とことばの磯貝メソッ 
ド®』など声や表情に関する資格を習得。(株)イーウーマン、(株)ビジヨンテツ 
クなどで「声トレーニング」「コミュニケーションを深める表情エクササイズ」 
「コミュニケーショントレーニング」等の講座を開講し企業研修やパーソナル 
トレーニング他、多方面でトレーナーとして活動中。
せたがや健康づくり区民フォーラム委員を務め地域活動にも参加。著書『一週間で決め顔・勝負顔を手に入れる』講談社。日本顔学会会員。
井上和幸
(いのうえ・かずゆき)
株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO
早稲田大学卒業後、リクルート入社。コンサルティング会社取締役、リクルートエグゼクティブエージェントマネージングディレクター等を歴任。2010年経営者JPを設立し、現職。

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