TOP これからのリーダーシップ、プロ経営者論 企業の中で起業家のように働く方法はある。(3/5)

2017/08/29

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これからのリーダーシップ、プロ経営者論

第3回

企業の中で起業家のように働く方法はある。(3/5)

  • スペシャル対談
  • リーダーシップ
井上 前回は、「ガリガリ君」でおなじみの赤城乳業を例に、社員に任せること、良い関係性の中で、部下が安心してチャレンジできる環境を整えることの重要性を話しました。仮に同社が今後陥るかもしれない罠があるとしたら、「まず今期これだけ売れ」みたいなマネジメントになってしまい、面白い商品を出し続けるカルチャーが失われてしまうことでしょうが、外から見ている限り、今はそんな心配はなさそうですね。

 

小杉 それで言うと、古典的ですが動機付けの「X理論、Y理論」の話ですよね。現に、有名なところでは、未来工業や伊那食品などのように、社員が自律的に働き、経営者が「社員を幸せにしたい」と語っている会社があるわけですよね。そして、総じてみんな儲かっているわけです。そうすると、「うちの社員はまだまだ自律できないですよ」なんて言っている会社は、「いつになったら彼らに任せられるんですか?」という話ですよね。
結局、社員が自律できるかどうかは、コンサル出身者やМBA取得者を採っているとか、一流大学を出ているとか大学院を卒業しているという話とは何の関係もなくて、上の人間が任せるかどうかの話です。Y理論で任せるから社員は自律的に動き回ることができる。逆に、X理論で彼らを管理すると、結局はいつまでたっても言われたことしかやれない社員と会社にしてしまう。第1回でもお話しした「関係の質」から始めるべきというダニエル・キムの話も、わかりきったことなんです。わかりきったことだけれど、多くの会社でやっていないのが不思議なんですよね。

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プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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  • 小杉 俊哉氏

    小杉 俊哉氏

    合同会社THS経営組織研究所 代表社員

    早稲田大学法学部卒業後、日本電気株式会社(NEC)入社。
    マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学大学院修士課程修了。
    マッキンゼー・アンド・カンパニー、ユニデン株式会社人事総務部長、アップル人事総務本部長兼米アップル社人事担当ディレクターを経て、39歳で独立。
    慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科准教授などを経て、合同会社THS経営組織研究所を設立。元立命館大学大学院テクノロジー・マネジメント研究科客員教授。慶應義塾大学大学院理工学研究科特任教授。
    著書に、『起業家のように企業で働く』、『リーダーシップ3.0』などがある。

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