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VOL.4 「働きやすさ」を追求すると企業はダメになる?!社員の満足を生み出すのは、「働きやすさ」ではなく「働きがい」。(4/5)

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井上 自分のキャリアビジョンを見つめ直して、それが会社の方向性と違ったときには、他所(よそ)で輝ける場を探す――。僕も基本的にはそうであるべきだと思う。そういう部分も含めて会社がオープンコミュニティになっていて、会社の考え方にちゃんと共鳴できる限りはそこで頑張る。逆に、ある程度方向性が変わったら前向きに、リクルート的には「卒業」という感じで会社を出て行けるような構造があればいいんだけどね。僕たちが転職相談にかかわる中でも、会社の中であるところに押し込められて、それに気づいた大人たちが「もう一度チャレンジしたい」と一念発起したような話も多いよ。

前川 今は成熟社会で、多くの経営者や幹部管理職は自信を失っているでしょう? 今までの猛烈な働き方だと「生産性が低い」と社会から突き上げられる状況になっているわけで、そこで、社員に自立した考え方を求め、働きがいを高めていったときに一時的にカオスが起こるかもしれない。だけど、産みの苦しみを経て、会社ともう一回握手できる人はそのコミュニティでそれまで以上に活躍・貢献していくだろうし、そうではない人は、違う会社で活躍していけばいい。そういう人材流出は致し方ないのかなと思っている。特に、40代ぐらいの人たちは、しっかりと内省した結果、会社の方向性と合わなければ、井上君のようなプロフェッショナルの力を借りて「場」を変えるということも考えた方がいいと思う。

井上 一方、若い子たちに対しては?

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前川 これは僕が『リクナビ』の編集長だったことの懺悔でもあるんだけど、就活生というのは、全部ベルトコンベアーに乗せられて、「この時期は業界を研究して、この時期は自己分析して、この時期はエントリーシート書いて……」といったように行動する。わずか数ヵ月の間に、さも人生を賭けて考えてきたように「自分の将来はこう生きたい」「こう働きたい」「だから御社でこういう仕事がしたい」といった自己PRをしていくよね。そんなことをしていると、彼らの中には、悪い意味の自己暗示にかかってしまって、「自分はこれしかできない」と思うような学生たちも出てくる。

井上 多かれ少なかれ、そういう影響はあるだろうね。

前川 でも、社会に出てないのに、自分が本当にやりたいことなんてわかるわけがない。新卒一括採用から企業内人材育成の地続きの仕組みは日本が世界に誇るべき仕組みだと思う。ただ、課題の側面としては就活という日本独自の仕組みが若者の視野を狭めてしまっているところがあって、僕はその固定観念を外してあげる作業が逆に必要だと思う。「あなたには、もっといろんな可能性があるよ」と。
だから、若い人こそ、自分のキャリアビジョンと、会社が向かうべきビジョンの摺合せを定期的にしていくことが大事だよね。その過程で自分が磨かれていくし、会社の向かっている方向を真剣に考えることによって、ワクワクすることが見つかることもあるからね。さらに、時代も刻一刻と変化していて、10年、20年先なんて誰にもわからない。
僕らは「キャリアコンパス(羅針盤)」と呼んでいるんだけど、キャリアの羅針盤を3年おきくらいに見直した方がいいと思う。

前川孝雄
(まえかわ・たかお)
株式会社 FeelWorks社長・株式会社働きがい創造研究所会長・青山学院大学兼任講師
「コミュニケーションが人と組織を変える」をスローガンにする人材育成の専門家集団(株)FeelWorksグループ創業者。兵庫県生まれ。大阪府立大学、早稲田大学ビジネススクール卒業。リクルートを経て、2008年に「人を大切に育て活かす社会づくりへの貢献」を志に起業。独自開発した「上司力研修」「上司力鍛錬ゼミ」や「人を活かす経営者ゼミ」、「育成風土を創る社内報」などを手掛け、300社超で「人が育つ現場」づくりを支援している。ミニドラマを用いた「働く人のルール講座」、「キャリアコンパス研修」、「女性幹部リーダー養成研修」など、時代性を踏まえた先進的な研修プログラムも提供している。2017年に中小企業支援の(株)働きがい創造研究所を設立。『上司の9割は部下の成長に無関心』『「働きがいあふれる」チームのつくり方」などベストセラー著書多数。
井上和幸
(いのうえ・かずゆき)
株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO
早稲田大学卒業後、リクルート入社。コンサルティング会社取締役、リクルートエグゼクティブエージェントマネージングディレクター等を歴任。2010年経営者JPを設立し、現職。

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