2018/05/15
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フォーカス・リーディング~生産性高める読書の技術〜
第3回
あの人が、1日10冊の小説を楽しめる理由(3/5)
- スペシャル対談
- ビジネススキル
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「経営者を語る」――今回は、株式会社J―エデュケーション代表の寺田昌嗣氏(ビジネス速読&高速学習アドバイザー)をゲストにお迎えします。
今回の対談では、エグゼクティブやリーダーの方に向けた、その時々の目的に合った速読のテクニックと、読書の効果を高めることの効用などについて、経営者JP代表・井上和幸と語り合っていただきました。全5回でお届けします。
井上 これまで、実践的な読書の方法についてうかがってきましたが、そういえば日本の学校教育では、読書の仕方というのはあまり習いませんよね。
寺田 第1回で「読書戦略」という言い方をしましたが、海外では小学校で学ぶことです。地域や先生によって温度差はあるようですが、「リーディングストラテジー」という言葉でちゃんと語られている。おそらく、小中学校で読書教育が採用されていない先進国は、日本だけでしょう。OECD加盟国の中で学力を比較すると、日本の生徒は表面的な読解問題はサクサク解いて上位に行きますが、思考推論みたいな問題では劇的にダメなんです。
衝撃的な事実に、日本の小中高校生における、「本を読む量」と「国語力・学力」の相関関係を調べたデータがあります。それによると、まず本をほとんど読まない子と、週に1冊読む子では学力に大きな差がありました。これは当然でしょう。
では、週1冊読む子と、週2冊読む子とでは、どれくらいの差があったと思いますか?
井上 普通に考えれば、読書量が多い方がそれだけ伸びそうに思いますよね。
寺田 それが、ほぼ伸びないんです。週3冊くらいの子になると、逆に学力が下がる。これは先進国で稀なデータです。
井上 なぜそうなるんでしょう?
寺田 海外の学校では、本の読み方も学びますし、どんな本をどうやって手に取るかも教わります。旅行ガイドの読み方まで扱うんです。「この旅行ガイドを読んで、〇〇君に旅行プランを作ってあげなさい」というテストが出たりします。作文としてブックレポートの書き方まで、小学生くらいで教わります。
一方、日本の国語の授業は、物語文の鑑賞が多い。説明文も扱いますが、ロジカルな読み方を教えません。だから、本を読めば読むほど学力が下がる、というデータになる。というのも、本を読んでいる子は、自分の好きな作品やカテゴリーだけをどんどん読んでいくからです。その結果、読み方が雑になり、語彙が広がらない。かつ読書に時間が取られて勉強が減る、というわけです。
ただし、例外もあります。多岐にわたるジャンルの本を読んでいる子だけは、読む冊数に比例して学力が伸びていました。学術的に何が要因なのか定かではないのですが、観察するとそうなっている。私も読書教室をやっていますが、読書教室の子と一般的なデータをさらっていくと、やはりそういう傾向があるように感じます。
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