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VOL.1 リーダーであれば必ず身に付けたい「最も実用的かつ実戦的な速読術」。(1/5)

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井上 「速読」に対しては、「夢のようなスキルだ」と興味を持つ人がいる一方で、習ってみても挫折する人が多く、「本当に数分で1冊の本が読めるのか?」とか「難しい本でもその内容を正確に理解できているのか?」といった疑問を持っている人も少なくありません。また、「速読」というもの自体の捉え方にも、いろいろあるようです。まずは、読者の方々に向けて、「フォーカス・リーディング」を提唱されている寺田さんのお立場から、「速読」について整理していただけませんか。

寺田 承知しました。まず「速読」というものは世の中にたくさんあります。日本だけで二千数百教室。流派という言い方をすると、おそらく10くらい(大きなフランチャイズ展開をしているところは7つ)あります。しかし、心理学的、脳科学的には、既に「速読は基本的にウソだ」という結論が出ているんですね。実のところ。

井上 寺田さんのサイトでは、「右脳を活性化させる」「写真のように文字を写し取る」「眼の動きを高速化する」「視野を広げる」……といった、速読ではよく語られることを「都市伝説であり、一種の疑似科学」だとハッキリ指摘されていますよね。

寺田 はい。ただ、その一方で、速読のできる人は、極めて少ないながらも現実に存在していて、そのような人はどこの流派にもいるんです。確率の問題ですね。ですから、「速読というものはある。速読ができる人もいる。しかし、一般的に習得できるものではない」というのが、速読に関する現段階の結論と言っていいと思います。

井上 なるほど。特別な才能を持った人はできているけれど、誰もができるとは限らない――と。

寺田 そうです。では、私のやっている「フォーカス・リーディング」とは何なのかというと、速読としてよく言われるような「夢を追う技術」ではありません。一字一句ちゃんと精読レベルで読め、記憶もできて、かつ非常に速い――そういう速読は存在しないだろう、というのが私の考えです。
ただし、そういう夢のような速読はないけれど、例えば、「200ページくらいの本だったら、15分くらいで概要をつかめる」、あるいは「丁寧に読んでも、30分くらいで1冊終わる」という速読をマスターできたら、読書が身近になって読書習慣が身に付きますよね。そうすると、どんどん難しくて、内容の濃い本にも手が出るようになっていく。
だから、私の指導している速読では確かに速く読めるようになりますが、速度と同時に読書の質をどれだけ上げられるかということは、あまり気にしていないんですね。要するに、よく言われるような「理解と速さはトレードオフ」の関係にあります。それを認めたうえで、どんな目的でその本を読むのかを明確にして、「速さ」と「質」のバランスをコントロールしていくのがフォーカス・リーディングです。だから、講座では、速読という技術とセットで、本の読み方も指導します。「読書戦略」とか「読書方略」という言い方をするんですが、そういったことも併せて、読書をもっと身近に、もっと価値あるものにしようというものなんです。

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井上 僕も以前、寺田さんの講座を受講させていただきました。そのとき、「読書速度を決めるのは、①スキーマ(脳内のデータベースの量)、②心身のコントロール技術(禅的な心身の使い方)、③フォーカス(何をどんな目的でどう読むかという戦略)という3つの要素の掛け算だ」という考え方が印象的で、読書好きの一人として納得するものがありました。そのあたりのことは、この対談でも追って解説していただきたいと思いますが、例えば、②の「禅的な心身の使い方」というのは、単なる読書を超えた効果も期待できそうで、興味深いですね。

寺田 フォーカス・リーディングでは、禅の体の使い方、それから、自分の視野がどうなっているか? 理解がどうなっているか? という自己モニタリングをしながら本の感覚を変える――という、スポーツと同じような「体感覚を変えるトレーニング」を続けていきます。だから、基本的にできないということがないんです。
実際、私は今、修士論文のために大学生をモニターとしてその効果を測定しているんですが、現時点(4月23日)で31人のデータが出ていて、その全員が速読をマスターしています(検証実験には35人参加。うち4人は諸事情により途中で離脱)。

寺田 昌嗣
(てらだ・まさし)
ビジネス・教育のための速読技術・高速学習法指導者

1970年、福岡生まれ。名古屋大学(法)卒。元福岡県立高校教師。
高校2年生の秋に日課の立ち読みで速読と出会う。
1年にわたりトレーニングに励むも撃沈。さらに計4つの教室での挫折を経て、7年後に独学で速読をマスター。
同時に、教師現役時代からオンライン講座を無料で開講。募集のたびに5倍の応募が届く人気講座に。
2001年10月に独立し、速読メソッドの指導と普及にあたる。これまでの受講者は1700人を超え、その修得率は98%超。スピードと理解度を両立させた実用性の高さが評判となり、ビジネス書作家や大学教授らがクチコミで多数訪れている。
また7つのライバル業者から顧問や技術指導の依頼を受けるなど、業界内での信頼も厚い。
2014年度から日本で初めて大学教育に授業として速読講座が採用され、通年の読書講座として開講。
速読と読書で日本の教育を変えることを目指し、2017年度から九州大学の大学院に進学。

読書力と読解力を育むための「ことのば 子ども速読・読書講座」も福岡で開講中。
著書に10万部のベストセラー書『フォーカス・リーディング』(PHP研究所)のほか『子どもの速読トレーニング』(PHP研究所)、『決定版! 超カンタン速読入門』(共著、金の星社)、『英会話音読練習帳』(共著、永岡書店)がある。
井上和幸
(いのうえ・かずゆき)
株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO
早稲田大学卒業後、リクルート入社。コンサルティング会社取締役、リクルートエグゼクティブエージェントマネージングディレクター等を歴任。2010年経営者JPを設立し、現職。

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