2017/11/14
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経営者のための、「本当の話し方、伝え方」の技術
第4回
話すときは一部しか伝わっていないと考える。聞くときには、相手が言語化できない部分も聞き取ろうとする。(4/5)
- スペシャル対談
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「経営者を語る。」――今回は、西任暁子氏(U.B.U.株式会社 代表取締役)をゲストにお迎えします。
テーマは、「経営者のための、真に伝わる話し方、伝え方の技術」。
コミュニケーションに関する研修講師を務め、多くの著書も発表されている西任さんに、
真に伝わるように話すとはどういうことか?
部下と信頼関係を作るには?面接における技術とは?――
といったトピックについて、弊社代表・井上和幸と語り合っていただきました。全5回でお届けします。
井上 部下との関係で言えば、日常的な関係を良くしていくためのヒントはありますか。西任さんの著書『本音に気づく会話術』(ポプラ社)には、「思っていることをちゃんと言葉にするから、良い関係は築いていける」とあって、①自分の本音に気づく、②相手の本音を聞く、③自分の本音を伝える――の3つのスキルを紹介していますね。そして、「相手が本音を言えないのは、話す技術がないからではない。話してもいいと思える安心が足りないからなのです」という指摘は、大いにうなづけるものでした。
西任 ありがとうございます。これは共感について書いた本なんですが、共感とは一言で言うと《相手が大切にしていることを、言葉にする》ということなんです。だから、話の本質を聞き抜く力、人間を見抜く力が必要になります。
井上 どうしたら相手の本音がわかりますか。
西任 相手も、自分が一体何を言いたいのか、ということに気づいていないものなんです。もし自分が言いたいことを明確に理解していたら、明確に伝えられますから。ですから話すときに、「自分は何を言いたいんだろう?」と探すことになるので、まるで雑然としたお部屋を片付けながらしゃべっているような状態になります。そんな相手のもやもやした話を聞きながら、「君はこういう部屋にしたいと思っているんじゃないのかな?」ということがどこまで見えるかなんですよね。そうすると、「あっ、この人は自分をわかってくれる」となります。
最近、よく描く図があるんです。話したいことって、ぼやっとしているので、それは全部言語化できません。例えば、ゴッホの絵についてしゃべると言っても、言葉だけでは伝えきれないですよね。言語化できることというのは、思っていることの一部分にすぎないのです。そして、その言語化できることを全部話すのかというと、会話って相手も話してきますし時間の制限もありますから、実際に話せるのは、さらにその一部になります。では、実際に話したことを相手が全部聞いているかというと聞いていないんですね。つまり、その中から相手が聞いてくれたことというと、さらにまた一部分になります。しかも、相手は聞いたことを全部理解してくれたのかというと、そんなことはありません。
結局、相手が理解してくれたことって、ごくごく小さな部分になる。だから、逆に他人の話を聞くときには、「全体を理解しよう!」と思って聞くんです。相手の考えている、言語化できない領域さえも聞き取ろうとするわけだから、聞くという行為はものすごく疲れますよ。
井上 聞く際の、自分のあり方みたいなものも大事ですよね。
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