FEATURES

特集記事・コラム

VOL.4 シンギュラリティー以降、コンサルタントやクリエイターでさえもAIに代替されるかもしれない。(4/5)

1 / 2 ページ

井上 最近「10年後になくなる仕事」という本や記事がたくさん出ています。先ほどの話でいえば、細谷さんは、仕事はもっとなくなると考えますか?

細谷 逆に言うと、新たな仕事も出てくるとは思いますけどね。10年後がどうかわかりませんが、例えば、10年後として、仕事がなくなることとは別に、人間と同じことはAIができるようになっていると思います。

井上 人間はどうしましょう?

細谷 よく言われるように、そこをAIがやったら人間が別のところに行けばいいという話もあるし、それは私もよく話しますが、一方で、「そんな簡単な話か?」ということもありますよね。単に覚えることはコンピューターがやるので、人間が考えることをやらなければいけないわけですが、それってなかなか難しい面もあります。
今までは、例えば、工場の仕事を全部機械化することによって工場には人がほとんどいなくなり、別のところに行った――というのは、まあまあ上手くいっていたのかもしれませんが、たぶんこれからは、店員さんみたいな役割の人は、どんどんいなくなっていきます。

井上 スーパーなども、セルフレジが増えていますよね。

細谷 今、空港でも人がどんどんいなくなっていますよね。チェックインカウンターが要らない。羽田空港などは荷物を全部機械を使って自分で預けられる。パスポートコントロールも自動になった。となると、この数年で空港スタッフは激減するでしょうね。対人業務だけれどシンプルなものはなくなっていく。そういうことも、工場のときと同様に何とかなるのかもしれませんが……。
前回話題に出たクリエイティブな作業も、最初はAIがやったものと、人間がやったものと分かれて、例えば、本屋さんも《AI作家コーナー》ができるのかもしれません。しかし、それも所詮は過渡的なもののような気がします。だんだんAIが主流になったときにどうするかということですよね。

写真 2017-08-09 16 48 02
井上 ソフトウェア系のカスタマーサポートなども、今はAIですよね。ログインすると、すぐに「○○の具合はどうですか?」みたいに尋ねてくる。相当なクオリティで自然な会話を返してくるので感心しました。こういうシステムがあれば、FAQ系のコールセンターは要らなくなるんだろうなと思いました。すでにそうなっているのかもしれません。

細谷 ヘルプデスクなどを利用すると、あれは最初に「用件に合ったナンバーを押してください」みたいな案内が何度かあって、最後の最後で、それに当てはまらない人だけが人間につながるというロジックになっていますよね。
これからはまさに人材としても、そういう電話に出られる人でないと意味がないというか、「その仕事は自分の仕事じゃありません」という仕事ほど人間がやらなければならなくなる。だから、自分の領域外のことで、例えば、ITのヘルプデスクに見当違いのリクエストが来たときに、「それはうちの仕事じゃない、ガチャっ」とやる人ではなく、自分でやれるところまではとことん粘ってみるような、自分の領域から遠いことを言われれば言われるほど燃えるタイプの人の方が、これからは価値が出てくる気がします。

井上 いわゆる非定型的な仕事ですね。

細谷 事業でいうと、当面はそういうものをつくっていくというか……。仮説をつくるところが大事なんでしょうが、それも一回つくってしまうとAIがどんどん賢くなっていってしまう気がするのでね。

井上 そうですね、時代を転換させる1つの短い期間の仕事かもしれません。でも、きっとそれをやるのかやらないのかというのは、もはや迫られつつあって、業界とか仕事ごとでスピード感があるんでしょうけど、いずれにしても結局はAI活用型の方には向かうであろうということですよね。

細谷 仕事をつくるということ自体は、現時点ではまだAIはできないはずなので、だから、人間の役割は、仕事をつくるというか、創業するのかもしれないし、新しい商品をつくるのかもしれませんが、その最初のつくるところくらいでしょうね、しばらくは。仕事をつくるというのは、例えば、経理の仕事でも何でもよくって、小さなことでも自分でまさに能動的につくるという話です。仕事ができてしまったら、あとはAIがどんどんやってくれますから、その前の、目的を決める、変数を決めるというところは人間が当面はやる必要がある。もともと経営者ってそういう人ですよね。

細谷功氏
(ほそや・いさお)
ビジネスコンサルタント/株式会社クニエ コンサルティングフェロー

東京大学工学部卒業。株式会社東芝を経て、アーンスト&ヤング、キャップジェミニ等の米仏日系コンサルティング会社にてコンサルティングに従事。コンサルティングの専門領域は、製品開発や営業等の戦略策定や業務/組織/IT改革。近年は問題解決や思考力に関する講演やセミナーを企業や各種団体、大学等に対して国内外で実施。著書に『地頭力を鍛える』『問題解決のジレンマ』(以上、東洋経済新報社)、『具体と抽象』(dZERO)、『やわらかい頭の作り方』(筑摩書房)等がある。
井上和幸
(いのうえ・かずゆき)
株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO
早稲田大学卒業後、リクルート入社。コンサルティング会社取締役、リクルートエグゼクティブエージェントマネージングディレクター等を歴任。2010年経営者JPを設立し、現職。

他の記事を読む

VOL.5
すでにとんでもない時代は到来している。経営者やリーダーは、自分なりの大胆な仮説を置き行動せよ。(5/5)
井上 思いのほか、AIの話題が多くなった気がしますが、そうなると企業のあり方も変わっていくと
more
VOL.3
経営者・リーダーとして、AI・ロボットをどのようなものとして認識し備えるか。(3/5)
井上 細谷さんからみて、今言われているAIというのは、この対談のテーマでいうと、どんなふうに
more
VOL.2
企業の組織構造を「川上と川下」という視点から覗き込んでみると、見えてくるものがある。(2/5)
井上 前回は、「川上と川下」「上流と下流」という視点から会社や国家を見ていくと、現在いる場所
more

ARCHIVE

ALL (5)

2017年 (5)

新着記事を
いち早くお届けします!

株式会社 経営者JP
〒150-0012 東京都渋谷区広尾1-16-2
VORT恵比寿Ⅱ (旧称:K&S恵比寿ビルⅡ )

お問い合わせ ・ ご相談

- 「リーダーシップ3.0®」は、株式会社 経営者JPの登録商標です
(登録番号:第5435135号)
- 「リーダーシップ4.0®」は、株式会社 経営者JPの登録商標です
(登録番号:第5934148号)
- 「経営者ブートキャンプ®」は、株式会社 経営者JPの登録商標です
(登録番号:第5918454号)
- 「エグゼクティブ ブートキャンプ®」は、株式会社 経営者JPの登録商標です
(登録番号:第5934143号)
- 「マネジャー ブートキャンプ®」は、株式会社 経営者JPの登録商標です
(登録番号:第5934145号)
- 「リーダー ブートキャンプ®」は、株式会社 経営者JPの登録商標です
(登録番号:第5934149号)
- 「経営者ワークアウト®」は、株式会社 経営者JPの登録商標です
(登録番号:第5918455号)
- 「エグゼクティブ ワークアウト®」は、株式会社 経営者JPの登録商標です
(登録番号:第5934144号)
- 「マネジャー ワークアウト®」は、株式会社 経営者JPの登録商標です
(登録番号:第5934146号)
- 「リーダー ワークアウト®」は、株式会社 経営者JPの登録商標です
(登録番号:第5934147号)