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VOL.1 これからのテクノロジーリテラシーを磨くには、AIを「知る・使う・創る」こと。(1/5)

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井上 まずはプロフィール、略歴的なところからうかがいたいと思います。藤野くんはこの夏に『2020年人工知能時代 僕たちの幸せな働き方』(かんき出版)を出版しましたね。なぜ今、AIと働き方について精力的に取り組んでいるのか、そのあたりからぜひ聞かせてください。

藤野 今「株式会社働きごこち研究所」(2007年設立)という会社を経営しているんですが、実は僕自身、かつては働くことが大変苦しく、悩んでしまった人間なんです。20代前半から半ばにかけて、「人はなぜ働くのか?」といった問いを立てて、いろいろ考えてきました。新卒で外資系のコンサルティング会社に入り、その後、人材コンサルティング会社に移って…。

井上 藤野くんと出会ったのは、その時です。僕が取締役を務めていたベンチャーに入ってきてくれた。

藤野 20代で3社を経験する中で、「どうやったら働くことが楽しくなるか?」といったことを、自分を実験台にして考えていたんですが、そんな中で、26歳のとき、東京で働くことに対して自分の中で限界というか、嫌気がさしてしまって、愛知県の海の近くに引っ越しました。夏は夜になるとカエルの鳴き声がすごい、田んぼだらけの場所です。
その後、自分で会社を始めてから、《オフィスを持たない》とか、《正社員という雇い方・雇われ方をやめる》といった、かつて自分がサラリーマンとして働いていて〝心地悪かったこと″を、自分が経営する側になったときになくす実験をしてやろうと思ってきました(*現在は愛知県名古屋市、西尾市に打ち合わせ用のオフィスを計3つ置いている)。

井上 当時としては珍しい形態だよね。

藤野 取引先からは「オフィスはないんですか?」と言われましたが、今ではそういう働き方を「ノマド」と呼ぶようになっていますよね。また、うちは正社員ではない10人くらいのチームでやっているんですが、そういうものを「クラウド」と呼ぶようにもなっていますから、働き方に対してはけっこう先進的な取り組みをしてきたつもりです。

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井上 AIに強い関心を持ったのはいつ頃から?

藤野 2015年の夏に人工知能が急速に進化しているという話を聞いて、「これはやばい」と。テクノロジーが進化して仕事も変わるし、働き方も変わるし、もっと言うと人間が変わるかもしれないという直感が生まれたんです。僕は直感から好奇心が生まれ、学びたくなっちゃう人間なので、それから2年間「人工知能がどんなふうに人の働き方を変えていくのか?」をテーマに研究してきました。研究といっても、僕はアカデニズムの人間ではないので、論文を書いたりするわけではなく、あくまでも自分がインプットしたことを自ら実験してみて、それで自分の中でわかったことを人に伝えたり、企業にアドバイスをしています。

井上 人工知能が人間の働き方について大きな影響を与えるだろうということが、藤野くんの興味・関心だということだね。

藤野 ある意味、人間がロボット的に働くことを求められる中で生産性を上げてきたのが20世紀だと思うんです。1900年代前半に『T型フォード』が誕生して大量生産の仕組みができました。会社や工場という決まった場所で朝9時から5時まで週に5、6日働くという、僕らが今当たり前だと思っている働き方は、せいぜいこの110年間のことです。この中で、人間は同じオペレーション業務をどれだけ早くこなすかということを求められていたんですよね。しかし、オペレーション業務、つまり単調で同じことの繰り返しを速く正確に行うということは、今こうやってAIでロボットが登場してくると、そっちの方が得意なので任せた方がいい――というのが大枠の流れです。
と同時に、同じことの繰り返しをしていると、人間は感情を持っているので飽きてしまう。もっと言えば、辛い。また、人間は身体というものがあるから疲れます。今はそういう部分をAIに任せていく段階に来ているわけで、人工知能の登場が、実は、人間は感情と身体を持っている生き物であることに、結果光を照らすことになっているのではないか、と思っています。

藤野貴教
(ふじの・たかのり)
株式会社働きごこち研究所 代表取締役 ワークスタイルクリエイター

アクセンチュア、人事コンサルティング会社を経て、東証マザーズ上場のIT企業において、人事採用・組織活性・新規事業開発・営業MGRを経験。2007年、株式会社働きごこち研究所を設立。「ニュートラルメソッド」を基に、「働くって楽しい!」と感じられる働きごこちのよい組織づくりの支援を実践中。「今までにないクリエイティブなやり方」を提案する採用コンサルタントとしても活躍。グロービス経営大学院MBA。
2015年より「テクノロジーの進化と人間の働き方の進化」をメイン研究領域としている。日本のビジネスパーソンのテクノロジーリテラシーを高め、人工知能時代のビジネスリーダーを育てることを志として、全力で取り組んでいる。 著書:『2020年人工知能時代 僕たちの幸せな働き方』(かんき出版)
井上和幸
(いのうえ・かずゆき)
株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO
早稲田大学卒業後、リクルート入社。コンサルティング会社取締役、リクルートエグゼクティブエージェントマネージングディレクター等を歴任。2010年経営者JPを設立し、現職。

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