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ITmediaエグゼクティブ【経営者.jp企画提供】連載
ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術!
VOL.89 池田貴将さん  2011年09月29日

できるリーダーは「未来記憶」を持っている!

何かを始める時に過去の実績にばかりこだわっていないか。

世界中のリーダーに共通しているのは「豊富な未来記憶」を描かせる力である。

世界No.1コーチと呼ばれ、世界中のVIPや大統領クラスを指導しているアンソニーロビンズによれば「世界中の人が今、不安に支配されている」と言います。

 「自分の将来がこれからどうなってしまうのか? 」

 「この取引先がなくなったら、どうしたらいいのか? 」

 「次の時代に追いつくためには、何から手を付けたらいいのか? 」

しかし、どんな時代であったとしても、「リーダーシップ」を発揮し続けてきた人がいます。彼らは何が違ったのでしょうか? その秘密・秘訣についてすべてを書き記したのが「未来記憶――イメージする力が結果を呼び込む」です。ここでは、本書の中でも、特に「エグゼクティブ」や「リーダー層」にとって絶対に必要な要素について伝えます。

リーダーシップを発揮する上で、重要要素はたくさんあります。しかし、リーダーシップを発揮する人がまず最も集中すべきところは、たった1つです。

自分の「感情の状態」なのです。

前に進んでいけば、誰だって必ず壁にぶつかるときが来ます。しかし、そのときに、落ち込んで諦めたくなるのは簡単なのです。「壁にぶつかったり、逆境におちいったときに、どんな感情の状態になるか? 」それがリーダーがまず1番最初に問われるところであり、最も大事なことなのです。これから、リーダーが感情の状態をよりよい状態にしていくために絶対に押さえておくべきことについて伝えます。

 人の感情とはどのようにして生まれるのでしょうか?

 多くの人は、「起こった出来事」が感情をつくっていると思い、感情をコントロールすることはできない、と信じてしまっています。雨が降ったらイライラする。しかしよく考えてみると、子供の頃は雨が降っても楽しかったかもしれません。つまり「出来事」が感情をコントロールしているのではないのです。

実は、出来事が起きたときに私たちが連想する「記憶」が感情をつくっているのです。

例えば、「家」をイメージしてみてください。すると、多くの人が「自分が過去に住んだことや見たことのある家」をイメージします。しかし、全員ではないのです。ある人たちは「今自分が住んでいる家」をイメージします。また一部の人たちは「これから自分が住みたい家」をイメージしてワクワクしているのです。不思議ではありませんか? ただ「家」というものをイメージするだけで、「過去」「現在」「未来」と別れるのです。

実は、人には3つの記憶があります。「過去記憶」「現在記憶」「未来記憶」です。

 「過去記憶」:あのときこういうことがあった、という記憶

 「現在記憶」:目先でこれをしなければ、という記憶

 「未来記憶」:これからこういうことをしたい、というワクワクした記憶

リーダーは何よりも、自分自身がよい感情の状態でいるために、自分自身の「未来記憶」について豊富に描く必要があるのです。そして、多くの人にリーダーシップを発揮するときには、このことをしっかりと押さえておきましょう。

「多くの人は、過去記憶にひっぱられて未来記憶をほとんど持っていない。そして、リーダーシップを発揮する人はいつも未来記憶から話している」

「リーダーはビジョンを語る」というのも「未来記憶」を持っているからできるのです。「リーダーは失敗をしてもチャンスと捉える」、「リーダーは根拠のない自信をもっている」というのも「未来記憶」を持っているからできるのです。未来記憶を豊富に持つことがリーダーシップを発揮する上での絶対条件なのです。

あなたの部下はどのタイプ?

さて、では部下の人がこんな状態になっていたら、どうしたらいいか? みていきましょう!

 1、なかなかすぐに行動に移せない

もしこんな部下がいたら、その部下は「過去記憶」にひっぱられています。「あのとき失敗した」「あれが苦手なんだから、似ているこれもきっと大変だ」など「過去のイメージ」に影響されています。ですから、「この仕事をしたら、こんなことが待っている」ということを「収入」「スキルアップ」「社内での成長」「お客様の笑顔」など具体的に教え、部下の「未来記憶」を増やしてあげましょう。

 2、ノルマが苦しい

もしこんな部下がいたら、その部下は「ノルマ=自分を苦しめるもの」というような「過去記憶」にとらわれています。そして、いつもいつも「ノルマ」のことばかりを考えてしまっていて、「自分が本当はどうなりたいのか? 自分はどんな成果をあげたらワクワクするのか? 」という「未来記憶」を忘れてしまっているのです。相手に気軽に声をかけながら、ノルマに目を向けさせるのではなく、その先にある「ワクワクする未来記憶」を描かせましょう。

 3、壁にぶつかっていて、身動きがとれない

もしこんな部下がいたら、その部下は「ブレイクスルー(大変革)の一歩手前」にいることを教えてあげましょう。いも虫から蝶になるときには、一度大変革を経験します。そのときに大切なのは、「過去の自分のイメージ」を忘れることです。「ぼくはいも虫なんだ」とこだわっていたら、蝶には決してなれないのです。壁にぶつかっている部下がいたら、「壁をこえると君はこんな人になれる。それが本当の君の姿だ」と壁の向こう側にある「未来記憶」を描かせてあげましょう。

いずれにも共通しているのは、リーダーは目の前がどんな状況になったとしても、その先にある「未来の姿」(未来記憶)を、しっかりと明確に持っているのです。

この変化の時代には、多くの人が「これからどうなってしまうんだろう? 」と考えてしまいます。しかし、リーダーの問いは違うのです。「これからどうなっていきたいか? これからどうなっていくべきか? 」という「未来記憶」を描く思考なのです。多くのひとに、「これから私たちはこうなれる! 」という未来の姿を語って巻き込むことが必要です。

未来記憶で、皆さまがリーダーシップを発揮することを心より応援しています。

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