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ITmediaエグゼクティブ【経営者.jp企画提供】連載
ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術!
VOL.83 上田渉さん  2011年08月18日

明日から使える! 忙しいリーダーのための「ノマド」生活のすすめ 

忙しい人ほど試してほしい。スキマ時間を有効活用して創造的な時間に変えることができる。

わたしは、株式会社オトバンクという、オーディオブックを日本中に広げるための会社を経営しています。

オーディオブックとは耳で聴く本。すなわち、プロのナレーターによる本の朗読や講演、オーディオドラマといったものです。近年iPodやWalkmanといった小型の音楽プレーヤ、スマートフォンの普及や、オーディオブックの冊数の増加に伴い、利用者が増えています。当社は、そうしたオーディオブックの制作及び日本最大のオンライン書店FeBeの運営を行っています。

わたしの亡くなった祖父が緑内障で目が不自由だった時の経験を基に、目が不自由な人のために朗読のNPOを作ろうと思い立ったのが創業のきっかけです。実際は、わたし自身が聴覚を使った勉強で大学受験を乗り切ったこともあり、本を音声として読むという需要は全ての方にとってあるのではないかと考え、社会にオーディオブックを届けるインフラとなれるよう、株式会社として創業しました。

ノマド仕事術のすすめ

創業といっても、複数の仲間と一緒に立ち上げたわけではなく、実際に動くのはわたし1人だったため、いつでもどこでも仕事と勉強ができる状態を作り上げる必要がありました。それが、拙著「ノマド出張仕事術」で書いたノマド仕事術です。

 「ノマド」とは、「遊牧民」のこと。移動しながら生活を営み、どこでも自分の生活場所としてしまう遊牧民のように、働く場所を自由に選択するワークスタイルのことです。

最近、ノートPCやwifi、WiMAXなどの通信環境が整ってきたこともあって、かなり普及してきました。ノマド仕事術のポイントは、いつでもどこでも、オフィスと変わらない環境で仕事をすること。

そのために最低限必要なツールは、ノートPC、スマートフォン、クラウドサービスの3つです。ノートPC、スマートフォンに関しては、自分が使いやすいものを購入して使えば良いと思いますが、わたしの場合はLet's noteとiPhoneを使っています。クラウドサービスでは、特にEvernote、Dropboxの2つのサービスを十二分に使いこなせるようになることが、ノマド仕事術を達成するための鍵となります。

Evernoteは、簡単に言えばメモの共有ツールなのですが(特筆すべき機能はたくさんあるのですが、ここでは割愛します)、デスクトップPC、ノートPC、スマートフォンといった仕事で使うツール間でのメモの共有が実にスムーズなので、ストレスなくメモを取ることができます。

一方、Dropboxは、ファイルの共有ツールです。こちらも上記のツールで全て使えますので、作業中のファイルをDropboxフォルダに保存しておけば,全てのツールで共有して使えるようになります。実はこの原稿もそうして書いており、会社のデスクトップPCと、自宅のデスクトップPC、出先で使っているノートPCの3つを使って書いているのです。

オーディオブック活用のすすめ

ノマド仕事術は、忙しい人であればある程、導入する価値のある仕事術です。なぜなら、いつでもどこでも仕事ができるということは、ちょっとしたスキマ時間を有効活用して創造的な時間に変えることができるからです。その一方で、スキマ時間を情報のインプットに使うことができるツールもあります。それが、オーディオブックです。

オーディオブックは耳から情報を入れるがゆえの利便性を持っています。それが、スキマの時間の活用です。例えば、車の運転中、満員電車の中、ランニング中、営業で歩いている時間といった、目と手を使っているが耳が空いている時間は、実は暇な時間としてわたしたちは感じています。

普通は、そうした時間に音楽を聴くか、何もせずにぼーっとしている人が多いのですが、そうした時間にオーディオブックで耳から情報を入れることが可能になります。現在オーディオブックは、ビジネス書のベストセラーを中心に7000タイトルほどがあるため、耳から勉強しようと考える人にとっては十分な環境がそろってきているのです。

わたしの場合、メールや事務処理はルーチンワークの時間に近いため、オーディオブックを聞きながら仕事をすることがあります。デザイナーやSEでも、わたしと同じように作業しながら聴く方がいるようです。

オーディオブックには、音だからこその3つのメリットがあります。まず、耳から学んだ方が理解が早いということ。実は人間は、もともと言葉を音から学び、後から文字を学んでいます。赤ちゃんは最初は言葉を耳から覚えて口から「ママ」というような言葉を発するようになり、文字を学ぶのは幼稚園からです。そうした経緯から、人間は本を読むときには、まず頭の中で文字を音に変換しそれを言葉として認識しています。しかし、オーディオブックであれば、はじめから音になっているので理解しやすいのです。

次に、何度聴いても疲れないということ。文章は何回も読むと疲れてしまいますが、音声は何回聞いても疲れません。目は筋肉を使っているために疲れますが、耳は受動的に音を聞き脳で処理するだけなので、目よりもはるかに疲れにくいのです。しかも、聴けば聴くほど頭に入りますので、何回も聴くことによるメリットが大きいのです。

最後に、倍速で聴くことで読書時間を短縮できるということです。人間の聴覚は器用にできており、朗読するスピードが倍になる程度であれば、即座に理解できるようになります。従って、新書1冊の朗読が4時間程度の場合、2時間で1冊聴けるようになるのです。すなわち、本を読むのが遅い人でも、倍速にするだけで、本が読むのが早い人と同じスピードで本が読めるようになるということなのです。

最近ではビジネス書著者の方も、効果的な読書法としてオーディオブックの利用を挙げています。忙しい今の時代だからこそ、皆さんの時間をこうしたノマド仕事術の実践によって有効活用し、成果に結びつけてもらえると嬉しく思います。

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