
バラバラな職場を1つにまとめ、結果を出すための「結束力の強化書」
未曾有の大災害に直面した日本人に対して海外メディアはこぞって、結束力が強く根付いた国民性であることを報道した。しかし今、職場には強い結束力はあるだろうか。大きな危機に直面していないときでもバラバラな職場をまとめて、結束力を生み出すにはどうすればいいのか。
結束力を生み出す方法がある
東日本大震災から5カ月が過ぎようとしています。未曾有の大災害に直面したわたしたちに対して、海外メディアはこぞって、日本は、結束力が強く根付いた国民性であることを指摘しました。多くの人たちが、絆の大切さ、一つになることの尊い意味を感じたことと思います。
今、皆さんの職場にはこのような強い結束力はあるでしょうか。危機に直面したときに、わたしたちの結束力は高まることがあります。一方で、必ずしも結束に向かうとは限らず、むしろバラバラになることもあります。
では、どうすれば、大きな危機に直面していないときでも、バラバラな職場をまとめて、結束力を生み出せるのでしょうか?すぐれたリーダーシップがあり、道筋が見え、メンバーが期待されている役割も明らかになれば、結束力は確実に生まれると皆さんは考えているかも知れません。
しかし、ともするとお互いに理解し合って、いいコミュニケーションができても「仲良しクラブ」で終わってしまうケースもよく見られます。最初は元気がよく話し合える雰囲気ができても、ちよっとした困難で崩れてしまったり、結果が出せずにあきらめてメンバーが職場から去ってしまうことも、最近よくあることです。
わたしは、これまでに大企業から、中小・ベンチャー企業に至るまで1000社以上の企業を訪問して、1万人以上のリーダーを組織改革コンサルティングを通して支援してきました。この3万時間のコンサルティングに基づいて、人・チーム・組織の結束力を生み出すための独自メソッドを編み出しました。これを「バィンディング・アプローチ」と名づけています。今度、ダイヤモンド社から出版した「結束力の強化書」は、「バィンディング・アプローチ」を紹介する最初で唯一の本です。
結束力は、結果を変える
なんのために組織があるのか。なんのために結束するのか。なんのためにみんなで助け合うのか。それを、一言で述べてみます。結果を変えるためです。今の時代、小さな組織が大きな組織に対抗するためには、結束力が必要です。結束力が、メンバーをまとめて相乗効果を生み出し、「結果を変える」のです。
結果を変えるとは、1人ではできないことを、チームで成し遂げること。より高い目標、難しい目標にチームプレーで挑戦し続けることです。「このままでは目標を達成できない」と思ったとき、不安を克服して一歩前に踏み出すとき、つまり、結果をより良いものへと変える原動力として、結束力を育てていく必要があるのです。
結束力を高めて、結果を変えて行く過程を見て行くと、“第1段階”でメンバーの気持ちがまとまる段階があります。“第2段階”はメンバーで助け合えるようになる段階があります。そして、“第3段階”では、各自が役割を最大限に発揮し工夫していくようになって、はじめて結果を変えていくことができるようになります。
この実践する過程から生まれたメソッドが「バインディング・アプローチ」です。ここで 言うバィンディングとは、リーダーとメンバー、メンバーとメンバー同士が主体的に組み合うことを意味しています。
では、メンバーが組み合うためには、何に働きかければいいのでしょうか? 3万時間のコンサルティングを実践する中で、わたしは、働きかける4つの柱を発見しました。
第1の柱は、“共通の目標”です。この柱は、チーム、組織で達成したい目指す目標です。この目標の本質は、メンバーが真剣になれる「組織のありたい姿」になっているかということなのです。これをしっかりと定めること。また必要ならば変更、修正を加えることも大切です。
第2の柱は、“やらないこと”です。この柱は、共通目標へ向かう道筋を決めるときに、自分たちがやらないことを先に決めておくことです。やらないことを決めることで、職場のベクトルが合わせやすくなり、ヒト・モノ・カネの資源配分がしやすくなります。結果、組織に速さを創り込んでいけるようになれます。
第3の柱は、“信頼関係”です。この柱は、結束力の基本です。コミニケーションの取り方ひとつ、リーダーの態度や言葉のひとつでも信頼が高まりますし、反対に信頼が失われてしまうこともあります。とても重要な関係です。信頼関係は、長所を見つけて激励し合える関係です。
第4の柱は、“助け合えるフォーメーション”です。この柱は、結束力を育てて、広げて行く時の形です。信頼関係ができている職場では、メンバーがお互いに自分の長所を生かして、貢献し、やがて、メンバー同士、またはリーダーとメンバーの間で助け合えるようになります。
壁を乗り越えるときに、どのような助け合う動きがつくれるか。どのようなフォーメーションを組めるか。そこを考え実践していくことで結束力が高まり、結果を変えていけるのです。多少の困難にぶっかっても、結束力は失われることはありません。むしろ、困難に直面することで、メンバーの新たな能力が引き出され、信頼関係が深まり、結束力が高まることが増えて行くのです。
結束力は一本調子で高まって強固になるわけではありません。どのような目標に向かっているか、どのようなメンバーが集まっているか、どのようなリーダーか、どんな困難に直面するかによって、結束力が高まることもあれば、逆にささいなことから乱れてしまうこともあります。
結束力を生み出し、強化していくだけでなく、維持するための具体的な行動につなげる方法も本書には、書き下ろしてあります。今度出版した「結束力の強化書」では、どんなメンバーでも取り組めるように、「バインディング・アプローチ」によって結束力を生み出し、育てて、強くしていくための基本を解説しています。その中には、今すぐできるメソッドだけを厳選してまとめました。結束力UPの「共通の目標」「やらないこと」「信頼関係」「助け合えるフォーメーション」という4本柱を常に意識して、働きかけることで、バラバラな職場を1つにまとめて、結果を変えることができるようになるのです。