
おさえておきたい世界標準の図解表現のルール
数字を扱うすべてのビジネスパーソンにとって、グラフや図表は必須のスキルである。しかしこのように大変役立つツールだが体系立てて習う機会はあまりなく、見よう見まねで使っているという人がほとんどだ。
図表の基本ルールを身につけよう
数字を扱うすべてのビジネスパーソンにとって、今やグラフや図表は必須のスキルです。図表は複雑なデータや情報をシンプルに、分かりやすく見せることができるため、プレゼン資料はもちろん、報告書を作成したり、企画を提案する際にも大変役立ちます。また、図表をうまく使いこなせるようになると、相手にポイントを効率よく伝えられ、各段に説得力が上がります。
このように大変役立つツールでありながら、図表の使い方というのは、残念ながら、学校でも職場でも体系立てて習う機会はほとんどありません。なんとなく見よう見まねで使っている、という人がほとんどです。
ここで、簡単なテストをしてみましょう。あなたは次の3つのグラフの間違いがすぐ分かるでしょうか。

図1のグラフは、縦軸が3づつ増加しており、不自然な目盛になっています。本来は2や5、10といった区切りのよい数字を使い、読み手がデータを簡単に読み取れるようにするべきです。
図2のグラフは、目盛が中途半端な数字から始まっています。棒グラフは、量や量の変化を表すときに使うグラフなので、軸の目盛は省略せず、かならずゼロから始めます。
図3のグラフは、色を使いすぎて、かえって見にくくなっています。また、このような色の使い方だと白黒コピーにした時に色の差が分かりません。同じ種類の情報には同じ色を使い、強調したい部分には同系色で濃淡を変えた色を使います。

他にも沢山の種類のグラフや図表がありますが、それぞれどういう場面で使うべきなのかということをきちんと理解できている人は意外に少ないものです。こうしたルールを知らずに、取引先や海外のお客様に資料を見せると、自分自身が知らないところでミスをしてしまいます。だからこそ、基本ルールをおさえることで、どこにでも自信を持って出せる図表を書けるようにしたいものです。
ソフトに頼りきりでは良い図表はできない
最近、表計算ソフトやプレゼンソフトで簡単にグラフや図表が作れるようになり、とても便利になりました。一方で、ソフトで簡単に加工できるため、不必要な装飾を加えすぎた図表を見かけることが増えました。たとえば、3Dの棒グラフや、影がついたグラフや、カラフルすぎる図表は、本来必要のない装飾をつけている図表です。グラフが3Dになっていると、どこがグラフの最上部か分かりにくくなってしまいます。
また、色を使いすぎると、どれが注目すべき部分か分からなくなってしまい、読み手を混乱させます。このように、余計な装飾が多いと、かえって図表は見にくくなってしまうのです。
より分かりやすい図表を書くためには、ソフトのグラフ化機能に任せきりにせず、図表の基本ルールをきちんとおさえることが大切です。
メッセージは何かをきちんと考える
図表の書き方として、あまり知られていないけれども、とても大切なポイントがあります。それは「メッセージを考える」ということです。
あなたも、誰かが書いた図表を見て、「何が言いたいのか、良く分からない」、と感じたことはないでしょうか。このような図表のほとんどは、「とりあえず図にしました」、「数字があるので、なんとなくグラフにしてまとめてみました」というような意識で書かれています。
本来は、図表を作る際に相手に何を伝えるのか、というメッセージを考えた上で最適なグラフなり図表を選ぶのが正しいアプローチです。グラフや図表をよく使用するアメリカでも、まず何を伝えたいのかを中心にし、そのために必要な情報を分かりやすい形で展開していくよう教育されます。メッセージを伝えるためにグラフが必要であれば、グラフを使います。
ところが日本では、データや情報をまずあるだけ出してから、これにはどういう意味があるんだろうと考える人が大半です。このようなやり方だと、時間もかかる上に、本来伝えるべきメッセージが不在の図表になってしまいます。
まず、「何が重要で、何を相手に伝えるべきなのか」ということをきちんと考えてから図表を選ぶようにすると、各段に分かりやすく良い図表が書けるようになります。
「ウォールストリート・ジャーナル式図解表現のルール」では、ウォールストリート・ジャーナルの図表表現のディレクターとして活躍した著者ドナ・ウォン氏が、データを効果的に図表にする技術を紹介しています。「ウォールストリート・ジャーナル」はアメリカだけでなく、ヨーロッパ、アジア、世界各国で読まれている経済紙です。そこで使われている図解表現のルールを知っていれば、どんな場面でも使える図表が作れるようになるでしょう。