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ITmediaエグゼクティブ【経営者.jp企画提供】連載
ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術!
VOL.78 古川裕倫さん  2011年07月14日

一生働く覚悟を決めた女性たちへ――仕事を楽しむ技術

わたしも女性社員に正論で木っ端みじんにやられたことがある。上司に正論を言われたら納得するのに、若手に言われると「お前に言われたくない」と思うし、口には絶対出せないが「ましてや女性に言われたくない」と内心思う男性諸氏にも必読の書。
 
女性の活用は急務である
 
先見の明がある経営者や賢いリーダーは、職場において女性の活用が急務であることをひしひしと感じていると思います。今の社会情勢が女性の活躍を求めているからです。その理由をわたしは次のように考えます。
 
 1、これから、団塊世代の退職と少子化によって、日本の労働人口が急激に減少する。
 
 2、労働力の確保には、高齢者活用、女性活用、外国人雇用しかない。
 
 3、しかし、わたしを含めた頭の硬くなった高齢者は、若いトップが使いにくい。
 
 4、さらに、日本人は、外国人の雇用には心理的抵抗感が強い。グローバル化が進んでいるとはいえ、オーストラリアのように労働人口の27%を外国人労働者が占める国になるとは思えない。日本人の語学能力もそれなりに要求される。
 
 5、だから、企業は日本の女性を積極的に登用せざるを得なくなる。女性が働きやすい制度に改善され始めている。
 
さて、こうした環境が整いつつあるなか、肝心の女性たちはどう考えているでしょう。
 
わたしは、23年間三井物産に勤め、その後2つの会社を経て独立しましたが、「女性の働き方はどうももったいない」と感じていました。男性諸氏は、学生時代を通じて女性たちのほうが優秀で要領がいいことを内心では感じていたでしょう。採用担当者も、採用試験の上位を女性たちが占めることは感じています。
 
しかし、いざ会社で働き始めると、女性たちは実力を発揮しきれなかったり、自ら萎縮して小さくまとまってしまう傾向があるようです。また、仕事内容や上司に対する不満、キャリア形成に対する不安も多いようです。
 
年功序列や終身雇用制度は崩れ、会社にしがみついても、自分の口を養っていけるかすら分かりません。もしかしたら会社が倒産するかもしれない。結婚して子どもを産んでも、専業主婦になれる人は少数派です。賢い女性たちは「結婚しても、また働かざるをえないだろう」「もし一生独身だとしたら、キャリアを見直そう」と感じているでしょう。
 
そこでわたしが提案したいのは「一生働くことを、しっかりと覚悟しよう」ということです。どうせ働かなくてはいけないのなら、楽しく自分の人生のために仕事をしよう。
 
家庭での経験を会社に生かす
 
拙著『一生働く覚悟を決めた女性たちへ』は、わたしのビジネスパーソン経験から、女性部下に期待すること、女性が不満を抱いている問題点を男性上司がどう見ているかなどを解説しました。
 
例えば、女性はよく「結婚・出産でキャリアがとぎれてしまうのが怖い」と言いますが、まったく怖がる必要はありません。優秀な人材には、職場に戻ってきてほしいからです。多少ブランクがあったところで、すぐに取り戻せます。
 
また、「子どもがいたら残業ができない」とも聞きますが、上司は、部下が長時間会社にいることなど望んでいません。男性でも女性でも、期待することは仕事をきちんと仕上げること。どんどん成長することです。失敗しても、報告がちゃんとされていて、過程が見えていれば上司は怒ったりしません。むしろ、失敗を恐れてチャレンジしない部下のほうに、失望してしまいます。
 
また、女性は頭の回転が非常に速いので、ときとして男性上司を追いつめてしまうこともあります。わたしも身につまされる思いをしたことが何度かありました(涙)。
 
「前にも言いましたよね? 」「それはつまりこういうことですか」そう正論で逃げ道をふさがれると、男性上司としてはツライ。「話は最後まで聞いて、なるほど、と一度受け止めてから反論をしてほしい」など、男としてのささやかな願いも少々書きました。
 
職場での経験、組織のマネジメントは、家庭生活でも応用することができます。子育ての「方針」を決める、家庭内のルールを定める、目標設定の重要さを子どもに話す。どれも会社で普通にしていることです。逆もまたしかり。家庭での経験を会社に生かすこともできます。
 
ヒラリー・クリントンが大統領選に出馬したとき、テレビ番組のインタビューでこんなことを言っていました。「わたしは娘であり、母であり、妻であり、姉・妹である女性の経験をホワイトハウスに持ち込む」。この考え方は、女性でも男性でも同じではないでしょうか。
 
女性向けの本は圧倒的に女性の著者が多いのですが、この本には、当然男性視線も含まれています。男性に納得してもらえるなら、ぜひ職場で女性登用派になってもらいたい。また女性に限らず、リーダーとしての心得、仕事に対する覚悟、志のありかたについても述べています。
 
わたしはいつも、若手ビジネスパーソンに「自分の利益(昇進や昇給)のためではなく、会社に貢献することを第1に、仕事をしてほしい」と話しています。なぜなら、それがいずれ必ず自分のためになるからです。
 
そしてそのときには、なるべく大きな目標、志をもってほしい。「目先の仕事を無難にこなす」という仕事目標ではなく、仕事を含めた素晴らしい将来を自分で作っていく、いわば人生の目標です。
 
志があればくじけることなく、自分のゴールに近づくことができます。仕事をしながら学び、自分を磨いて、人生を楽しく生きることができます。志がないと、なんでも「やらされている」「しぶしぶやる」ことになり、実力も付きません。
 
仕事は人生の一部分です。「あいうえお」な生き方はどうですか? 「明るく、生き生きと、上を向いて、笑顔で、面白く」そんな人生で、存分に自分を楽しませましょう。
 

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