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ITmediaエグゼクティブ【経営者.jp企画提供】連載
ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術!
VOL.103 大塚寿さん  2012年01月12日

1万人の諸先輩が語る30代の後悔――一生懸命だけではうまくいかない時代、どう生きればいいのか

人生を左右する大きな選択を迫られることが増える30代。自分の強み、自分の力を発揮する場所としてどの領域を選択するかが、その後の40代の収穫を決める。

ビジネスパーソンの人生を10年ずつ区切るなら、20代が「種まき期」、30代が「育成期」、40代が「収穫期」、そして40代で収穫したもので50代を過ごし、60代でハッピーリタイアというのがビジネスパーソン“すごろく”であると、これまで紹介してきました。

これまでの四半世紀にわたるビジネスマン生活で数万人と出会い、その中の約1万人からさまざまな成功談や失敗談、そして後悔していることをインタビューした結果からそのように定義するように至ったのです。

後悔という点では40代を後悔している人が最も多かったのですが、その次の後悔年齢が30代でした。そこで、今回は第2の後悔年齢である30代について考えてみたいと思います。

30代とはどのような10年なのか

「30代を後悔しない50のリスト」

では、いったい30代というのは、どんな10年なのでしょうか。

まずは、顕著なのは公私ともにそれまで「脇役」として過ごしてきてきたのが、いきなり「主役」として生きなければならなくなる点です。

私生活でも結婚し、それまでは誰かの家族の一員だったのが、今度は「自分の家族」の主体者としての生き方が求められるようになります。

仕事では20代は、一通り仕事を覚え誰かのメンバーとして働くことがほとんどですが、30代になるとリーダー的な役割を任せられるようになり、管理職になる人も増えてきます。

しかし、同時にそれは、理想と現実のギャップを生み出す要因にもなりかねません。日本企業の多くは20代のうちはあまり差をつけず、横並びで人材を育成しますが、30代になると逆に差をつける企業が多くなるので、実力の差がハッキリとついてしまうからです。

そういう意味では一気に差が生まれてしまう10年ということができるでしょう。しかも、それまで格下だと思ってきた同期にあっさりと逆転されてしまったりとか、それまでのやんわりとした序列がガラガラポンされてしまい「素の力」による総入れ替え戦が始まるのです。

さらに、30代というのは選択の10年でもあります。しかも、人生を左右する大きな選択を迫られるような――。 例えば、結婚するか、出産するか、今の会社に残るか、転職するか、独立するか、家を買うかといった判断に迷うことばかりが集中するのです。

しかも、一生懸命だけではうまくいかなかったと多くの先人たちが、30代を振り返っています。そんな緒先輩たちの代表的な後悔を2つ選択して、その対処策についても紹介します。

「自分のテーマが見つからなかった」――見つけるのではなく「作り出す」
 
孔子の「三〇にして立つ」という言葉を意識して、何とか30代で何者かにはなりたいと思いながら、結局どういう分野に立てばいいのかさえ分からず、30代を終えてしまった人が実に多いのです。
 
坂本龍馬の言葉に「世に生を得るは事を成すにあり」というのがありますが、自分が何のために生まれてきたのか、自分の手でいったい何ができるのか、その答えを30代で見つけたい人は多いと思います。
 
30代が育成期だというのは、自分のどんな強みをどんな領域で育てていくか、どんな領域を自分の力を発揮する場所として選択するかであり、それを「自分のテーマ」として、納得のいく成果を収めることが、その後の40代の収穫を決めてしまうからです。
 
しかし、ではなぜ多くの先輩たちが30代で自分のテーマを見つけられなかったのでしょうか。
 
それは、「自分の中」にテーマを「見つけよう」としたからです。「見つける」という言葉に踊らされた諸先輩も多いはずです。
 
なんとかテーマを見つけようとして、もがき、七転八倒しながらも結局「テーマがまだない」という結果に終わってしまうのは、見つけるというより、「作り出す」「高める」という行為が必要だからです。答えは「自分の外」にあります。内側を掘り下げるより、外の世界で試行錯誤してリアルな体験を積み上げることによって、本当に突き詰めるテーマがあらわになってくるからです。
 
そこのところを間違えないようにしましょう。
 
真面目だけではうまくいかなかった――新しい価値は真面目からは生まれない
 
「遊んでいる人ほどうまくいく」といったら極端ですが、どうやら言われたことを真面目にコツコツこなしても、30代では戦力として評価されることはなくなってしまいました。
 
太古の昔から勤勉であることは、日本人の美徳としてずっと共有されてきましたが、現在の50代や定年を迎えた諸先輩が口々にいうのは「真面目だけではうまくいかなかった」という後悔なのです。
 
結局のところ成熟期を迎えた日本企業にとって、もはや言われたことだけをコツコツこなすだけの人材は大衆人材、コモディティー人材と評され、戦力としてはカウントされない存在となってしまいました。そのような業務に携わる人にはコストはかけられないので、システムに置き換えるとか、アウトソーシング、派遣社員を登用するのは経営上当たり前のことです。
 
30代でコモディティー人材にならないためには、どれだけプラスアルファの価値が生み出せるかが重要になります。そのためには自分で自分の仕事に勝手に線を引いたりせずに、あらゆることに首を突っ込んで、そのヒントをつかみ取る行動が不可欠です。自分の好奇心のアンテナを一層高くして新しい価値探しに明け暮れようではありませんか。
 
 
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